研究課題/領域番号 |
20J20165
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
宇賀田 洋介 横浜国立大学, 理工学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 電解液 / リチウムイオン電池 / イオン伝導 / 電気化学 / リチウム系二次電池 / 有機電解液 |
研究開始時の研究の概要 |
Li塩を有機溶媒中に超高濃度に溶解させた電解液が、従来の電解液よりも高速な電池の充放電を可能にすることが報告され注目を集めている。この優れた電池性能を理解する上で高濃度電解液中でのイオン伝導機構の解明が肝要である。当研究室ではこれまでに、ある種のLi塩と溶媒から成る高濃度電解液中において、Liイオンが溶媒とアニオンを配位子交換しながらホッピング伝導していることを実験的に証明してきた。本研究では、従来の古典溶液論では説明できない高濃度電解液中でのLiイオンのホッピング伝導を体系化し新たな学理を構築することを目的とした。さらに、これらの新規電解液を次世代蓄電池などへ適用する応用研究も展開していく。
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研究実績の概要 |
これまでの検討から、スルホンを溶媒としたLi塩高濃度中において、Liイオンが最も速く拡散するLiイオンホッピング伝導機構が発現することを明らかにし、種々のスルホン系溶媒の中でもスルホラン(SL)を溶媒に用いることで高いLiイオン輸送性能を達成できることを見出してきた。また、Li塩に関してはLiN(SO2F)2 (LiFSA)を使用することで、高塩濃度でも電解液の粘度が比較的低くなり、高いイオン伝導度を示すことがわかっている。一方、LiFSAとSLからなる高濃度電解液は、溶媒和物の融点が比較的高いため、低温では溶媒和物の結晶化が起こり、電解液として機能しないという課題がある。本年度は、深共晶溶媒で見られるような多成分化による融点降下に着目し、LiFSA、SL、ジメチルスルホン(DMS)の三成分を混合させることで液体温度範囲の広い高濃度電解液を開発し、それらの熱物性、溶液構造、輸送特性および電気化学特性について調査した。LiFSA-SL-DMS三元系電解液は、混合エントロピーの増加により広い温度範囲にわたって液体状態を維持し、150 °Cまでは溶媒の蒸発が起こらず高い熱安定性を有することがわかった。また、[LiFSA]/[SL]/[DMS] = 1/1.5/1.5の組成の三元系電解液では、Liイオンが溶媒やアニオンよりも速く拡散するホッピング伝導機構が発現し、比較的高いLiイオン輸率を示すことが明らかになった。この三元系電解液は4 Vを超える広い電位窓を有し、リチウムイオン電池の正極材料であるLiCoO2を用いたリチウム二次電池に適用した際には従来の混合カーボネート系電解液に匹敵する出力性能を示すこともわかった。さらに、-20 °Cの低温環境下でもリチウム二次電池の電解液として適用できることも確認された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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