研究課題/領域番号 |
20J20194
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
廣瀬 修平 同志社大学, 生命医科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | NRF3 / mTORC1 / アルギニン / ミトコンドリア / がん / SLC1A4 / アミノ酸 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は、低栄養環境においても増殖するように細胞内代謝経路を変化させている。細胞内代謝の中枢にはmTORC1が位置しているが、mTORC1を介したがん代謝変動とがん増悪の関連については未だ論争が続いている。さらに近年、がん免疫系におけるアミノ酸の重要性が示唆されているものの、その知見はグルタミンやロイシンの取り込み、トリプトファン代謝物などに限られている。本研究では、申請者が発見した「NRF3-アミノ酸取り込み-mTORC1」経路の知見をもとに、がん細胞のトランスポーターを介したアミノ酸の独占から、がん免疫の回避機構の解明へと展開する。
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研究実績の概要 |
本年度(2022年度)は、まずNRF3がアルギニン欠乏によって活性化することを見出した。アルギニンは非必須アミノ酸でありながら、がん細胞では合成経路が遮断されているため、アルギニン欠乏によって活性化し、細胞からのアルギニン供給を促進する機能は非常に重要である。加えて、本年度は移植腫瘍内のmTORC1活性を調べた。その結果、予想通りにNRF3過剰発現によってmTORC1活性が増加し、mTORC1阻害剤であるラパマイシンの投与によって阻害された。これは、NRF3過剰発現による腫瘍増大とラパマイシンによる退縮と一致した結果である。そして、以上の結果をiScience誌に報告した。 次に、NRF3はがん免疫に関与するのかという疑問について検討した。昨年度までで、Nrf3ノックダウンによる腫瘍の退縮はT細胞依存的である可能性を明らかにしていたものの、腫瘍内CD8陽性T細胞(キラーT細胞)数は変化しない結果を得ていた。本年度は、腫瘍から抽出したmRNAを用いてDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、Nrf3ノックダウン腫瘍ではコントロールと比較して、強い免疫反応を示す可能性を見出した。それと一致して、腫瘍内のCD8陽性T細胞の割合はNrf3ノックダウンで増加していた。前年度ではキラーT細胞変化がなかった理由として、移植がん細胞数と飼育日数が原因だと考えている。一方で、制御性T細胞(Treg)は変化がなかった。以上の結果は、がん細胞におけるNrf3の発現はがん免疫を抑制する可能性を示唆している。この内容の一部はThe Tohoku Journal of Experimental Medicine誌に報告した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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