研究課題/領域番号 |
20J20222
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大泉 祐介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 染色体 / 大型類人猿 / チンパンジー / 進化 / ヒト科 / テロメア / ゲノムシークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトとチンパンジーは進化的に最も近いとされているが、歩行の方法や言語の有無、寿命など様々な性質の違いがある。興味深いことに、大型類人猿に属するチンパンジー、ボノボ、ゴリラには、StSat配列と呼ばれる32 bp単位の大規模な繰り返し配列が存在するが、ヒトには全く存在しない。このことから、StSat配列の有無がヒトと大型類人猿の性質を分けた原因の一つになっている可能性が考えられる。本研究では、StSat配列における染色体構造や隣接領域に及ぼす影響を調べることで、ヒトとサルの違いはどのように生じ、ヒトはどのように進化してきたのか、という人類の大きな疑問を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
ヒトとチンパンジーは進化的に最も近いとされているが、さまざまな性質の違いがある。興味深いことに、大型類人猿に属するチンパンジー、ボノボ、ゴリラは、Subterminal Satellite (StSat) と呼ばれる32 bp単位の大規模な繰り返し配列をもつが、ヒトには全く存在しない。このことから、StSat配列の有無がヒトと大型類人猿の性質を分けた原因のひとつになっている可能性が考えられる。そこで本研究では、StSat領域の分子機能やStSat周辺の染色体領域のDNA配列を探ることにより、ヒトとチンパンジーの進化の一端を明らかにすることを目的とした。 まず、StSat領域における染色体構造を明らかにするため、in vivoにおいてStSat領域特異的に存在するタンパク質を網羅的に同定できるPICh法を行った。得られたサンプルの質量分析や予備実験の結果、従来のPICh法ではStSat領域に存在するタンパク質の同定は困難であることが示された。 次に、StSat領域がもたらす周辺の染色体領域への影響について調べるため、チンパンジーのStSat領域に隣接するDNA配列の同定を行った。チンパンジーのゲノムDNAの解読は完了していないため、StSatやテロメアに隣接する配列はほとんどわかっていない。そこで、NGSデータを用いてStSatおよびテロメアに隣接する配列を新規に取得することにした。はじめに、ヒトの完全なゲノムアセンブリが構築されているCHM13について、元となったシークエンスデータからテロメアに隣接するDNA配列のみを特異的に構築できるか試みた。その結果、ヒトのテロメア配列のほとんどはTAR1と呼ばれる繰り返し配列と隣接しており、この割合はゲノムアセンブリの解析データと一致したことから、全ゲノムDNAを構築することなくテロメアの隣接配列を取得できたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PICh法を用いたStSat領域に存在するタンパク質の網羅的解析について、タンパク質の抽出方法など実験条件の最適化が必要であることが判明したためやや遅れている。一方で、StSatやテロメアに隣接する配列の同定法を確立できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、PIChの改良法であるePICh法を行い、StSat領域特異的に結合するタンパク質を同定する。そして、同定したタンパク質の細胞内機能を解析する。 さらに、確立したテロメア隣接配列の取得法を用いて、チンパンジーにおけるStSatやテロメア配列に隣接するDNA配列を同定する。そして、同定した隣接配列がStSat配列による影響(染色体構造、隣接領域内の遺伝子発現など)を受けているのか解析を行う。また、ゴリラやオランウータンなどヒト科生物種間での配列の比較を行いテロメア隣接配列の進化を調べる。
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