研究課題/領域番号 |
20J20287
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
當波 孝凱 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 一重項分裂 / シングレットフィッション / エキシトンダイナミクス / 分子動力学計算 / 量子化学計算 / 有機太陽電池 / 外部静電場印加 / 量子ダイナミクス / 振電相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
シングレットフィッション(SF)は、1つの一重項励起子が、2つの三重項励起子に分裂するという現象であり、太陽電池や非線形光学材料などの性能を向上させる可能性がある。高効率なSFの発現に向け、これまで化学修飾によるSF分子の設計が理論・実験の両面から盛んに行われてきたが、申請者はSFの物理的制御に着目し、静電場印加による高効率なSFの発現機構の可能性を予測した。本研究では、量子化学計算と量子ダイナミクスの手法を用いて、SFへの静電場印加効果を理論的に解明し、静電場によるSF制御指針の構築および静電場駆動型SFという新奇なSFを発現する物質の設計を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
最終年度である本年度は、分子集合系内でのシングレットフィッション(SF)現象を記述するために重要な要素である原子核運動の効果を(i)分子内振動と(ii)分子間振動の場合について検討した。(i)分子内振動に関しては、代表的なSF分子系であるオリゴアセン系へのヘテロ置換が、分子内振動の変化を通じて振電相互作用と電子ダイナミクスに与える影響を検討した。その結果、窒素原子の導入により、電子状態と特定の分子内振動との相互作用が強くなること、ならびにその機構を解明した。さらに、フロンティア軌道エネルギーが顕著に変化する位置への窒素原子導入が、SFによる相関三重項対(TT)状態の生成を高速化させることを明らかにした。(ii)分子間振動に関しては、分子間振動による分子間相対配置の揺らぎがSF現象に与える影響を検討した。これを明らかにするため、分子の集団運動を古典論的に考慮した量子-古典ハイブリッド型のエキシトンダイナミクス計算・解析手法を新たに構築した。ペンタセン結晶モデルに対して分子間振動を考慮した結果、非常に短い時間スケールで励起状態の量子的な重ね合わせ状態が崩壊し、TT状態が高速に生成する機構を解明した。さらに、分子集合系の電子状態と相互作用する分子間振動の様式に依存した励起状態緩和過程を明らかにした。 以上の取り組みによって、SF現象そのものの機構解明、ならびに、SFへの静電場印加効果の解明に成功した。構築した理論枠組みや得られた成果は、新規SF物質材料の創成や新規機能の開拓にも大きく貢献すると期待される.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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