研究課題/領域番号 |
20J20380
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 優希 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 分化多能性 / 幹細胞 / 器官再生 / 細胞分裂 / 植物ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
植物は一般に器官再生能力が高いが、これは植物細胞が自らの分化状態を柔軟に変える能力(リプログラミング能力)が高いからである。このリプログラミングの具体的な仕組みを1細胞レベルで理解するため、本研究では、成熟した葉から人為的に単離した1細胞・プロトプラストが分裂して細胞塊を形成し、最終的に完全な植物体を再生するという興味深い現象に着目する。特に、プロトプラストはもともと成熟葉の細胞であり分裂能力を失っているため、分裂を再開する過程は、分化状態が大きく変わったことを示す最初の重要なステップである。そのため、このプロトプラスト分裂再開過程を制御する分子機構を解明することを主たる課題とする。
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研究実績の概要 |
前年度までに、プロトプラストの分裂再開過程では遺伝子発現のヒストンアセチル化制御のもとで酵素YUCによるオーキシン生合成が促進され、これが細胞周期のG2/M期の活性化に必要な遺伝子群を活性化することを見出した。本年度は、これらの要素の上流・下流の因子や仕組みを特定することを目指した。 まず、培養プロトプラスト中でヒストンアセチル化による発現制御を受け、YUCの発現を制御する因子の探索を行った。その結果、転写因子PLT3・5・7の遺伝子領域がヒストンアセチル化制御を受けて発現を上昇させること、PLT機能欠損変異体ではYUC1の発現が低下することが判明した。PLT機能欠損変異体から採取したプロトプラストは分裂再開効率が低いが、これにPLT5遺伝子のプロモーター制御下でYUCを発現する人工配列を組み込んだ形質転換体では分裂再開効率が向上した。これらのことからPLTはヒストンアセチル化制御を直接受けてYUC1を発現制御し分裂再開を駆動することが示唆された。 一方、オーキシン生合成によって発現や機能を制御され、G2/M期遺伝子を活性化する因子の探索も行い、転写因子ARF7・19を見出した。ARF7・19遺伝子の機能欠損変異体プロトプラストは分裂再開効率が著しく低下する。また、これまでの研究においてオーキシン生合成阻害剤の投与下ではG2/M期遺伝子群のマスター因子であるMYB3R4の発現が低下することが判明していたが、ARF7・19機能欠損変異体ではMYB3R4を含む多くのG2/M期遺伝子の発現が低下していた。さらに、MYB3R4の遺伝子上流域にはARF転写因子の結合しうる配列が複数存在しており、実際この配列にARF19が結合することも示唆された。これらのことから、ARF7・19がMYB3R4を直接的に発現制御し、G2/M期再開を駆動していることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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