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道義的建築論に基づく都市スラムの形成メカニズムの解明と新たなスラム改善手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20J20421
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分23030:建築計画および都市計画関連
研究機関筑波大学

研究代表者

阿部 拓也  筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2022年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードスラム / タイ / チュムチョン / 居住環境 / 土地 / 家屋 / 規制 / 道義的建築 / 形成メカニズム / デザイン / フィールドワーク / 実践
研究開始時の研究の概要

これまで申請者は、タイ・クロントイスラムを事例とした研究・実践に取り組んできた。ここでは、住民間で許容された違法な建築実践からなる居住空間を、道義的建築と定義した。そしてその理論にもとづき、スラムの居住空間の構成原理を探求してきた。
本研究では、以下2つの調査から、これまでの研究をさらに発展させる。ひとつは、住宅とその住まい手をめぐるライフストーリーのヒアリングをおこなう。もうひとつは、建設現場に参与し、住宅が新築・改修されるプロセスを記録する。この2つの調査から、道義的建築の形成メカニズムを解明する。そしてその理論を応用し、新たなスラムの居住環境改善手法を開発することを目的とする。

研究実績の概要

本研究では、道義的建築の形成メカニズムを解明した上で、その成果を応用した新たなスラムの居住環境改善手法をデザインすることを目的とする。2022年度の研究では、5月よりタイに渡航し、2023年3月までの現地調査を行った。その内容は以下の3段階に分かれる。
①土地・家屋の規制に関する聞き取り調査を行った。その結果として、地域内には住民組織などが定めた規制が存在しないこと、住民は土地を管理する外部組織と借地契約を結んでいること、借地証には管理組織が定めた規制が書かれていること、を把握した。そこで借地証を入手し、それを翻訳することで、規制の全容を把握した。
②土地・家屋の悉皆調査を行い、現在の土地・家屋が規制を遵守/逸脱しているかどうかを調べた。その結果として、大半の家屋が規制を破っていることを明らかにした。
③住民が規制を守る/破る理由を知るためのインタビュー調査を行った。その結果として、住民が調査地に来る前に不法占拠地区で生活した経験を有すること、その地区では住民組織や土地管理組織が定めた規制が存在しなかったこと、がわかった。住民は、このような生活経験を有するがゆえに、調査地に移住した後でも、行為の良し悪しを規制から判断しない。その規制よりも、隣人などがその行為を問題視するか否かを優先する。だからこそ隣人などがその行為を問題視しなければ、規制に反していても構わないと考える。他方で、土地の管理組織は住民の規制に反する行為を認識している。しかし管理組織は住民の行為を黙認する。管理組織は、住民の行為を問題視することで、彼/彼女らとの関係性が悪化することを望んでいないからだ。ゆえに管理組織は住民の行為を妥協する。以上が、調査地で規制を破る行為が無くならない理由であり、道義的建築が形成される理由である。
上記の研究で得た成果は、2023年に学会発表や査読論文として発表する予定である。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 委員会の活動とその成果2022

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也
    • 雑誌名

      都市インフォーマリティから導く実践計画理論[若手奨励]特別研究委員会報告書

      巻: - ページ: 3-11

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] インフォーマリティと居住環境 その1:フォーマル/インフォーマルの検討2022

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也
    • 雑誌名

      都市インフォーマリティから導く実践計画理論[若手奨励]特別研究委員会報告書

      巻: - ページ: 16-22

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] Mutual relationship between taboo of faith and house space: A case study of “licit architecture” in 70 Rai, Khlong Toei, slum improvement project area, Bangkok, Thailand2021

    • 著者名/発表者名
      Takuya Abe, Ikuro Shimizu
    • 雑誌名

      Japan Architectural Review

      巻: 4 号: 4 ページ: 565-574

    • DOI

      10.1002/2475-8876.12242

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 持続性とレジリエンス概念によるスラムパラダイムの変革とクリアランス方法の開発 その1:家屋の違法増築および火災からの家屋再建の類似性2020

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也・山田協太・清水郁郎
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] インフォーマル居住地での研究の基礎となる概念の整理2020

    • 著者名/発表者名
      阿部拓也
    • 学会等名
      日本建築学会都市インフォーマリティから導く実践計画理論[若手奨励]特別研究委員会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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