研究課題/領域番号 |
20J20496
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
越川 拓海 東京工業大学, 物質理工学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 連続環化反応 / [4+2]環化反応 / ピリリウムカチオン / キノジメタン / 白金触媒 / 金触媒 / DFT計算 / 白金 / 金 / ジインーカルボニル / インドールーインーカルボニル / エン-イン-カルボニル / [3+2]環化反応 / カルベノイド / C-H挿入 |
研究開始時の研究の概要 |
ベンゼン環がとぐろを巻くように連結したヘリセンや、複数の非対称なナフタレン環を1,4位で連結したオリゴナフタレンは、特異なCPL特性(右回りと左回りの内、片方の回転の光だけを放つ性質)をもち、新規発光材料として期待されている。しかし、それら分子の合成法は未だ少なく、特に不斉合成(鏡写しの関係にある分子の内、一方のみを優先的に合成した)例はごく少数しか存在しない。 本研究では、ピリリウム(五つの炭素原子と一つの酸素原子から成る、正電荷を帯びた平面型分子)による反応を利用し、ヘリセンやオリゴナフタレンの新規不斉合成法の開発を目指す。また、新規連続反応を開発し、大型分子の不斉合成を試みる。
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研究実績の概要 |
今年度の研究成果として、カチオン性白金(II)触媒およびカチオン性金(I)触媒を用いたピリリウムカチオンを経由するジイン-カルボニル/インドール-イン-カルボニルとアルケンの分子間連続環化反応の開発、および同内容の学術論文の発表が挙げられる。 2000年頃より、さまざまな金属触媒を用いたピリリウムカチオンを経由する環化反応が報告されてきた。しかし、金属触媒と化学選択性の関係性を解明する研究や、連続環化反応への応用研究は数例に限られており、さらなる研究・発展の余地が残されていた。 本研究において私は、先行研究で使用されていたイン-カルボニル化合物の末端ベンゼン環のオルト位に新たなアルキン部位を付加することで新規基質のジイン-カルボニル化合物を合成し、その基質をカチオン性白金(II)錯体触媒とカチオン性金(I)錯体触媒のそれぞれと反応させることで、相異なる連続環化反応が進行することを見出した。つまり、カチオン性白金(II)錯体触媒を反応させると、二度のピリリウムカチオン形成を経由する[4+2]環化反応が二回進行し、ビス(ジヒドロナフタレン)誘導体を与えることが分かり、一方でカチオン性金(I)錯体触媒を反応させると、ピリリウムカチオンを経由する[4+2]環化反応後にキノジメタン中間体が生じ、続けてアルキン部位との異なる[4+2]環化反応が連続して進行し、ビジクロオクタン誘導体を与えることが分かった。また、カチオン性金(I)錯体触媒による連続環化反応については、アルキン部位をより求核性が高いインドール環に置換することで、生成物の収率を向上させることに成功した。 以上より、本研究結果はピリリウムカチオンを経由する環化反応において、反応制御因子を解明するための知見およびカスケード反応開発の新たな設計指針となりうるものであると言える。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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