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宣伝国家の読書空間:知識人と大衆の近現代中国メディア史

研究課題

研究課題/領域番号 20J20573
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
研究機関京都大学

研究代表者

比護 遥  京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2022年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード近現代中国 / 読書 / 政治文化 / メディア史 / 中国近現代史 / グローバル・ヒストリー / 中国 / 大衆社会 / 宣伝 / カルチュラル・スタディーズ
研究開始時の研究の概要

本研究は、読書イメージの変遷を通じて、近現代中国の政治文化の特質を明らかにしようとするものである。読書は知識人としての象徴的行為でもある一方、宣伝国家における大衆への強化手段としても用いられるなど、常に政治コミュニケーション上の重要な意味を帯びている。したがって、読書への着目は、中国の政治文化において知識人と大衆の関係がいかに編成されてきたかを見ることにつながる。研究の起点とするのは読書の大衆化と政治化が重なった1930年代であり、それが全面化した人民共和国成立以降、そして文革からの反動が見られた1980年代以降、さらにソフトパワー強化の思惑とともに複層的な読書文化が見られる現在までを見通す。

研究実績の概要

本研究は、「あるべき読書」がいかなるものとされてきたかの変遷を通じて、近現代中国の政治文化の特質を明らかにしようとするものである。本年度は、昨年度までに積み重ねてきた個別研究をもとにして、全体的な視点から再構成することにより、博士論文として完成させ、学位の取得が認められた。この博士論文は、改稿したうえでなるべく早い段階に出版することを目指して準備を進めている。博士論文の章立ては以下の通りである。
序章:焚書の政治から読書の政治へ――書物をめぐるシンボリズム/第1章:上海の「グーテンベルグの銀河系」――先行研究・視座・時期設定/第2章:消費する読者への政治的期待――1930年代の読書雑誌の機能/第3章:抗戦のための読者の役割――リテラシーとオラリティーの相克/第4章:革命的な読書――連続性のなかの毛沢東時代/第5章:「読書熱」の二重性――ポスト文革期の文化-政治/第6章:未完の「八十年代」――『読書』時代の終焉/終章:読書の政治学
また、博士論文の執筆と並行して、7月には中国社会文化学会のシンポジウム「近代メディアは中国社会に何をもたらしたのか?」において、「書籍と中国社会:焚書と読書のシンボリズム」と題した報告を行った。この報告内容は、同学会の会誌である『中国―社会と文化』に論文として近日中に掲載予定である。また、本研究と密接にかかわる中国のプロパガンダに関わる専門書(劉海龍『宣伝』中国大百科全書出版社、2020年)についての書評論文も執筆して、『京都メディア史研究年報』第9号(2023年)に掲載された。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 比較史から理解する中国のプロパガンダ ―劉海龍『宣伝―観念、話語及其正当化』2023

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 雑誌名

      京都メディア史研究年報

      巻: 9 ページ: 215-231

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 古登堡星系在上海:試論二十世紀三十年代的閲読秩序2021

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 雑誌名

      首届中国媒介考古工作坊 参会論文集

      巻: 1 ページ: 178-187

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 毛沢東時代の読書規範:政治文化の連続性に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 雑誌名

      京都大学大学院教育学研究科紀要

      巻: 67 ページ: 1-14

    • NAID

      120007030295

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 消費する読者への政治的期待:1930年代中国の読書雑誌を手掛かりに2021

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 雑誌名

      マス・コミュニケーション研究

      巻: 98 ページ: 69-86

    • NAID

      130008039855

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 書籍と中国社会:焚書と読書のシンボリズム2022

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 学会等名
      中国社会文化学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 古登堡星系在上海:試論二十世紀三十年代的閲読秩序2021

    • 著者名/発表者名
      比護 遥
    • 学会等名
      首届中国媒介考古工作坊
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 海峡を越える読書:中華圏における書店の文化政治学2021

    • 著者名/発表者名
      比護 遥
    • 学会等名
      中国現代史研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 焚書与読書:試論文革前後書籍的象征意義2021

    • 著者名/発表者名
      比護 遥
    • 学会等名
      第十届中日学者中国当代史研究工作坊
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 民国期出版統計の復元:「民国図書数拠庫」の有用性を中心に2020

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 学会等名
      京都大学人文科学研究所附属現代中国研究センター共同研究班「近現代中国の制度とモデル」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 大衆読者の消費的発見と政治的動員:1930年代中国における読書雑誌のメディア史2020

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 学会等名
      日本マス・コミュニケーション学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 毛沢東時代の読書規範:政治文化の連続性に着目して2020

    • 著者名/発表者名
      比護遥
    • 学会等名
      京都大学人文科学研究所附属現代中国研究センター共同研究班「20世紀中国史の資料的復元」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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