研究課題/領域番号 |
20J20828
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
舘石 和香葉 北海道大学, 文学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 協力 / 集団 / 社会比較 / 信頼 / 評判 / 間接互恵性 / 数理解析 |
研究開始時の研究の概要 |
人間は、その歴史のほとんどを狩猟採集社会の小集団で生活してきたため、集団内で協力するための心の仕組みは備えているといわれている (e.g. Yamagishi et al., 1999)。一方で、現代になり必要性が生じた、異なる集団の成員と協力するための心の仕組みは備えられておらず、集団を越えた協力の達成はより困難であると考えられる。そこで本研究では、集団を越えた協力の阻害要因は何か、人は集団を越えていかにして協力関係・信頼関係を構築できるのかという問いに着目し、実験室実験、進化シミュレーションなどの手法を用いてそれらの問いを段階的に明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
R4年度は、集団を越えた相互作用を促進する要因について研究を行った。本研究では、集団を越えた相互作用を促進する要因として、集団の外で新規の相互作用をした場合に得られるだろう利益から、集団内における相互作用を継続することの利益を差し引いた逸失利益である機会コストに着目した。実験では、搾取されるリスクが低い内集団で相互作用を継続するか、搾取されるリスクは高い集団の外にでて相互作用を開始するかを選択する状況を設定した。ラウンドが進むごとに、集団外で相互作用する方が利益を得られる確率が高まるよう、機会コストの上昇を操作した。 R3年度の実験において機会コストが高くなると集団外での相互作用が促進されることが確認された後に、R4年度は、機会コストに対する反応の社会差および個人差を明らかにするための実験を行った。先行研究 (i.e. Yamagishi et al., 1998) では、北米の人々の方が東アジアの人々よりも新規の他者と関係を築きやすく、その社会差は他者一般を信頼する一般的信頼という心理特性により説明できると示唆されてきた。そこで本研究では、日本とカナダで比較社会集団実験を実施し、機会コストに対する反応の社会差を検討するとともに、その違いが一般的信頼により説明されるのかを検討した。実験の結果、機会コストに対する反応に社会差は見られなかった。ただし、本研究のサンプルでは、先行研究で示されてきたような日本とカナダの一般的信頼の差が見られず、ゆえに社会差が見られなかった可能性はある。一般的信頼も加えて分析をした結果、予測していたように、一般的信頼を高く持つ人ほど、機会コストの高まりに対し敏感に反応する傾向にあることが示された。一連の結果から、機会コストは集団を越えた相互作用を促進するが、その効果には個人差およびそれに伴う社会差がある可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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