研究課題/領域番号 |
20J20893
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
桑水 隆多 筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 超低強度運動 / アミノ酸 / 実行機能 / ドーパミン / 前頭前野 / 脳機能イメージング / 有酸素能 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の研究室は、誰もが継続可能な一過性の超低強度運動(e.g. ウォーキング、低速なジョギング)は左背外側前頭前野の活動を増加させ、実行機能を向上させることを見出している(Byun et al., NeuroImage, 2014)。申請者はその生理機構として脳内ドーパミン作動性神経系の関与を想定した。そこで本研究は、アミノ酸摂取による急性ドーパミン枯渇法とヒト脳イメージング法(機能的近赤外分光分析法・機能的磁気共鳴画像法)を併せて用いることでその仮説検証を目指す。超低強度運動の有用性とその生理機構がヒトで解明されれば、持続可能かつ認知機能向上効果の高い運動処方開発に寄与する可能性がある。
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研究実績の概要 |
誰もが継続可能な一過性の超低強度運動(e.g. ウォーキング、低速なジョギング)は前頭前野背外側部の活動を増加させ、実行機能を向上させる。その神経生理機構として脳内ドーパミン作動性神経系の関与を想定した。アミノ酸摂取による急性ドーパミン枯渇法とヒト脳イメージング法を併せて用いることで機構解明を目指す。既に、急性ドーパミン枯渇法の実験モデル確立を完了させ、本実験に移行した。先行研究の実験モデルを基盤にアミノ酸混合摂取による血中アミノ酸の変化を検証し、ドーパミン前駆体であるチロシンとフェニルアラニンが血中で激減し、急性ドーパミン枯渇法によるチロシン、フェニルアラニンの利用可能性の低下を確認した。さらにその後、本実験のデータ収集も完了し、実行機能(カラー・ワード・ストループタスク)・前頭前野活動(神経活動に伴う酸素化ヘモグロビン変化)についてデータ解析を行っている。並行して、脳内カテコラミン作動性神経に代表される上行覚醒システムの指標となりうる瞳孔動態に着目し、一過性の超低強度運動中の瞳孔動態を検証した。その成果の一部を、日本体力医学会で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
急性ドーパミン枯渇法が超低強度運動による実行機能向上効果に与える効果について実験を遂行し、データ収集を完了した。現在、データ解析を進めており、次年度には論文投稿に移行できる。また、上行覚醒システムの間接指標として、瞳孔測定を導入し、超低強度運動による実行機能向上効果との関与を検証した。瞳孔測定は、カテコラミン起始核の活動を予測することから、超低強度運動による実行機能向上の神経回路メカニズムの解明を加速させることができる。以上より、進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
急性 ドーパミン前駆体枯渇法により超低強度運動による実行機能向上効果が減弱するかについて、データ分析(認知課題成績、心理尺度、機能的近赤外分析法により計測された脳イメージングデータなど)を完了させ、投稿準備に移行する。さらに、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた検証を行うため、実験条件、撮像条件の予備的検討を行う。
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