研究課題/領域番号 |
20J20915
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上根 直也 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Molecular Dynamics / ReaxFF / Atomic Layer Deposition / Boron Nitride / Semiconductor / Process Simulation / DFT / ReaxFF MD / CVD / ALD / Thin Film Growth / Silicon Germanium |
研究開始時の研究の概要 |
半導体製造工程で用いられる化学気相堆積(CVD)法および原子層堆積(ALD)法の成膜プロセスは非常に複雑であるため,最先端の解析でも未解明な点が多く残されている.従って膨大な成膜パラメーターと膜質との相関を実験で試行錯誤的に調査しているが,多大なコストを要する事が問題視されている. 上記の背景から,数値計算への期待が高まっているが,現状の計算モデルは支配種の限定的な反応経路のみを考慮して一部の実験結果を再現しているに過ぎない.更なる予測性能向上には,量子化学・分子動力学計算の結果を広域に統合する必要がある.本研究は,反応性力場分子動力学法を採用することで計算モデルの精度に寄与するものである.
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研究実績の概要 |
我々は,CVD/ALD法における反応動力学現象の理解を通じて,その表面反応機構の解明を目的としている.本年度は,BCl3およびNH3を用いてBNを成膜するALDプロセスにおける成膜機構の解明に向けて,密度汎関数(DFT)法および反応性力場分子動力学法(ReaxFF MD法)による数値シミュレーションを行った. まず,ALDプロセスに含まれる基本的な表面反応機構をDFT法によって推定した.(a) OH終端Si(100)表面でのBCl3反応,(b) Cl終端Si(100)表面でのNH3反応,(c) NH終端BN表面でのBCl3反応,(d) Cl終端BN表面でのNH3反応の合計4つの反応について気体分子の物理吸着から副生成物の脱離に至るまでのエネルギーダイアグラムを求めた.その結果,反応 (c) が反応全体の中で最も高い活性化エネルギーを示し,BCl3系でのALDウィンドウの下限を律速している重要な反応であることが明らかとなった.この反応 (c) の活性化エネルギーの値は,これまでの理論および実験による先行研究と良い一致を示した. 次に,BCl3およびNH3を用いてBN薄膜を成膜するALDプロセスにおいて基板温度が動力学と化学反応の両方を同時に含む表面反応機構および成膜機構に及ぼす影響を理解するためにReaxFF MDシミュレーションを実施した.DFT法で求めたデータに対して,ReaxFFに含まれる各種パラメータを最適化することで力場開発を行った.新たに開発された力場を用いて,表面に対してBCl3およびNH3を連続的に入射することで成膜シミュレーションを行った.BNは成膜初期においては3次元的なクラスター成長と2次元的な成長が混合していることが示唆された.このような初期成膜機構は,熱運動によって気体分子が表面拡散する現象を考慮することで初めて明らかとなった.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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