研究課題/領域番号 |
20J21011
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
伊東 昇紀 明治大学, 明治大学大学院農学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2021年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ラン藻 / バイオプラスチック / リンゴ酸 / マリックエンザイム / リンゴ酸脱水素酵素 / クエン酸回路 / 酸化的ペントースリン酸経路 / NADPH / 有機酸 / 糖異化 / 乳酸 / コハク酸 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、環境負荷低減に向けて、持続可能なバイオプラスチックが注目されている。ラン藻は、二酸化炭素からバイオプラスチック原料となる有機酸を生産することができる。しかしながら、その生産効率は、実用化レベルには届いていない。ラン藻の有機酸生成経路に関する知見は乏しく、培養条件の検討や代謝改変が困難である。 この問題を解消するために、私は、ラン藻の有機酸生成経路を重点的に解析する。主要な酵素の生化学解析に加えて、In vitroで有機酸生成経路の再構築を行う。これにより、有機酸生成経路の代謝活性を制御する外部因子や、アイソザイムの役割などが明らかになる。得られた知見をもとに、有機酸の生産効率向上を試みる。
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研究実績の概要 |
ラン藻は、二酸化炭素から様々な有用物質を生産する。Synechocystis sp. PCC 6803(以降Synechocystis)は、モデルラン藻として、基礎・応用研究の両方で利用されている。本研究チームは、Synechocystisが、クエン酸回路を経由して、バイオプラスチック原料を生産することを発見した。しかしながら、Synechocystisのクエン酸回路の代謝フラックスは、他の代謝経路と比べて著しく小さい。そのため、バイオプラスチック原料の増産に向けて、クエン酸回路の流れを決める生化学的要因の発見が急務となっている。 リンゴ酸脱水素酵素(MDH)は、クエン酸回路のリンゴ酸酸化を触媒する。前年度までの研究で、SynechocystisのMDHは、他のクエン酸回路の酵素と補酵素が異なることが判明した。また、MDHは、リンゴ酸酸化に対する活性が低く、逆反応に対して高い特異性を示す。これらの結果から、「MDHがリンゴ酸酸化を触媒しない」という仮説が生まれた。Synechocystisは、他のリンゴ酸酸化酵素として、マリックエンザイム (ME)をもつ。本年度は、MEとMDHに着目した解析を行い、リンゴ酸酸化の触媒メカニズムを解明した。 MEは、他のクエン酸回路の酵素と同じNADP+を補酵素とした。また、MEは、MDHの約260倍の活性を示した。MDHの欠損株と異なり、MEの欠損株は、生体内にリンゴ酸を蓄積した。したがって、Synechocystisのクエン酸回路では、MEが、リンゴ酸酸化を触媒すると考えられる。このクエン酸回路では、NADHの代わりにNADPHが生成する。Synechocystisでは、光合成と酸化的ペントースリン酸経路が、生体内の主要なNADPH生成系として機能する。クエン酸回路は、これらの系と競合しているため、代謝フラックスが小さいと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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