研究課題/領域番号 |
20J21196
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 徳仁 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | シェリング / フランス革命 / 哲学と宗教 / 神話 / 自由 / 歴史哲学 / 信仰と知 / 美と政治 / 19世紀社会思想史 / アナーキズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ドイツの哲学者F・W・J・シェリングの政治思想を当時の社会情勢との関係で明らかにすることにある。シェリングはこれまで、ドイツ観念論解釈や美学史、自然哲学の文脈で主に注目されていたが、彼は生前に18世紀末から19世紀前半に起こった重要な3つの革命(フランス革命、七月革命、三月革命)を全て経験した。こうした時代経験からも、彼自身はまとまった政治的著作を遺したわけではないが、独自の仕方で政治思想を展開しようとしていた。 本研究は、彼の断片的な記述を再構成することで、度重なる革命の失敗を経験しながら、彼がどのような政治的ないし社会的ヴィジョンを描こうとしていたのかを考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は、これまで政治・社会思想史の文脈で語られることの少なかったF・W・J・シェリングの思想を当時の政治革命や社会状況のもとで再考することを目的としている。その遂行にあたって、採用第三年度では以下の三点の成果を得た。 第一に、昨年度から引き続き、1840年代以降のシェリングの政治哲学について研究した。昨年度は『神話の哲学』に重きをおいて読解したのに対して、今年度は『啓示の哲学』にひそむ政治思想的アスペクトを詳らかにした。特に、先行研究者であるジェラール・ベンスーサンやサイティヤ・ブラータ・ダスの『啓示の哲学』研究を批判的に検討しながら、分析を進めた。その成果は、日本シェリング協会の全国大会において報告し、その後査読を経て論文掲載されることとなった。 第二に、第一の点を遂行するなかで、初期から後期までを貫くシェリングの政治思想的理念を「哲学的宗教」という後年の構想を基に再構成することができた。これによって、初期から後期までの彼の政治思想を整合的に読むことが可能となった。 第三に、以上の成果をふまえて、全四章からなる博士論文「反政治の黙示録としての哲学と宗教――シェリング政治哲学研究序説」を作成し、所属機関に提出して無事に受理された。公聴会では、様々な分野の研究者との議論が行われ、本研究には、現代の問題(「ポスト世俗化」や「宗教的なものの回帰」などと呼ばれる、世俗社会と宗教原理の対立)を思想史的な視野から取り組むことに寄与できるポテンシャルがあることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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