研究課題/領域番号 |
20J21248
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
中井 雄士 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 秘密計算 / 物理暗号 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的にマルチパーティ計算(MPC)のような暗号技術は計算機に実装することが想定されるが,計算機を用いずに物理的な道具を用いて構成される暗号技術も存在する. 本研究では,トランプのような物理的なカードを用いたMPC(カードMPC)に関する研究を行う.カードMPCは,一般的な計算機への実装が想定されたMPC(代数的MPC)とは異なるプロトコルを実現できることが知られている.一方で,カードと計算機の計算モデルとしてのギャップは解明されていない.カードMPCと代数的MPC間での,相互のプロトコル変換の研究を通して,そのギャップを明らかにし,カードという新たな計算モデルの提案へつなげることを目指す.
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研究実績の概要 |
本年度の研究は大きく二つに分けられる.一つ目は,カードベース暗号に関する研究である.当分野で得られた成果は次の通りである.(1) 2017年に発表した3入力多数決プロトコルを基にしきい値関数プロトコルへ拡張 (2) 任意の参加者数に対して適用可能な多数決プロトコルにおけるカード枚数の削減 (3) カードベース暗号において初めて秘匿積集合プロトコルの実現方法を提案.これらの成果は計算機ベースの秘密計算からカードベース暗号への汎用的変換手法を構築する準備段階として,カードベースプロトコルの構築技術を発展する中で得られた成果である. (1)と(2)の成果はそれぞれ,査読付き国際論文誌New Generation Computingに発表した.(3)の成果は国内会議CSS2021で発表した.二つ目は,ビットコインに基づく秘密計算である.本研究は,計算機ベースの秘密計算とカードベース暗号間の変換を考える上で大きな課題となるモデル間のギャップを埋める取り組みとして行った.計算機ベースの秘密計算とカードベース暗号では達成できる安全性に差があり,両者間での変換を構築するうえでこのギャップは障壁となる.これを解決ために,計算機ベースの秘密計算にビットコインのようなブロックチェーン技術を組み合わせることで達成できる安全性を向上する研究を行った.ビットコインをベースとした秘密計算では,通常モデルでは達成できない安全性を達成できる.その一つが公平性であり,プロトコルを不当に中断した攻撃者に対し金銭的なペナルティを課すことでこれを達成する.ビットコインベースの秘密計算に関する知見を深める中で,参加者数nに対して従来はO(n)ラウンドが必要であったビットコインに基づく公平な秘密計算を, O(1)ラウンドに改善する成果を得ることができた.本成果は査読付き国際会議Tokenomics2021で発表した.
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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