研究課題/領域番号 |
20J21376
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深谷 拓未 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2022年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 食 / 味覚 / 感覚 / イタリア / ワイン / 風景 / テロワール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来食文化研究で捨象されてきた、食の身体感覚の中心である味覚を議論の俎上に載せることで、食・感覚を文化人類学的に考究するものである。 当該の目的を達成すべく、その味に関心が払われるワインを対象に設定する。そして、イタリアを中心としたヨーロッパにおけるワイン生産から消費までの一連を参与観察することにより、味覚を動態的かつ実証的に捉える。以上を分析することで、「身体/食」、あるいは「自然/文化」という二項対立的図式のパラダイムに対して、その結節点に位置する感覚から批判的議論を展開する。
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研究実績の概要 |
2022年7月に開催された国際学会Japan Anthropology Workshop研究大会にて、これまでの日本におけるソムリエを対象とした味覚認知方法に関する調査の結果を整理・公開した。特に、感覚の認知方法の身体化にとって、文化において形成されている感覚の表現が、その認識に先立っているという視点を提示した。また、この研究大会を機に、さまざまな研究者との意見交換によって、「他分野における味覚研究との比較検討」と感覚論の理論的枠組みの考察へと繋がった。 ここでの発表内容に加え、新たに行った調査資料を加筆したうえで、『会誌 食文化研究』に論文を投稿し、現在査読中である。しかし、イタリアにおけるワイン生産の現場の参与観察調査が、コロナウイルス感染症の影響で年度の大半にまでずれ込んだ影響で、当初計画していた『文化人類学』への投稿は遅れが生じる結果となった。 「イタリアのワイン農園での味覚に関する研究」については、9月末日まで実施した。ここでは、自らワイン生産に携わることで、主に産業的及び物質的な側面を捉え、土地/ワインとを端的に結びつける思想に対して批判的な検討を加える準備が整った。具体的には、ブドウ樹の栽培方法、土地利用、ワイン醸造における商業的側面だけでなく、道具・原料の調達から、ワインのグローバルな流通の在り方についての資料が得られた。 一方、日本国内における「ソムリエを対象にした味覚に関する研究」では、上記の通り、『会誌 食文化研究』において内容をまとめた他、年度後期に調査を再開し、日本のイタリア・ワイン流通業者、ソムリエ、そしてソムリエ学習者へのインタビューを実施した。そして、ソムリエという社会階層の上部を占める団体と、彼らが特権的に使用する言語によって、日本におけるワイン消費の習慣が西洋社会、または資本主義社会の上位を象徴するものであるという実態を把握した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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