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交差性を基盤した運動とその連帯―日台における「障害のある性的少数者」運動を事例に

研究課題

研究課題/領域番号 20J21415
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

OUYANG Shanshan  立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2021年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード障害のある性的少数者 / インターセクショナリティ / 障害者 / クィア / LGBT / 東アジア / 台湾 / 社会運動 / 当事者団体 / SOGI
研究開始時の研究の概要

本研究は、障害(身体障害や精神障害など)を抱える性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)の社会運動が、どのように社会的連帯を形成してきたのか、その背景と運動実践を解明する。具体的には、日本と台湾における障害のある性的少数者、または当事者団体を対象とし、①それぞれ社会運動の実践と団体を超えた関係の構築、②マイノリティ運動での位置付けとその影響、③障害学とクィア・スタディーズのあいだの境界を考察し、障害者と性的少数者を並列的に論じる限界と可能性を明らかにする。それらの理論と事例の比較検討を通して、交差性(intersectionality)を基盤にした新たな運動モデルの可能性を検討する。

研究実績の概要

今年度の研究状況は次の3点に分けることができる。
①台湾の当事者団体「残酷児」(Disabled+Queer)*についての調査成果をまとめ、「『残酷児』――台湾における障害のある性的少数者の実践」というテーマで論文を書いた。この論考は『クィア・スタディーズをひらく3』(晃洋書房)の第5章として出版された。*「残」は障害、「残酷」は悲惨、むごいことを表す、「酷」は厳しい、または英語のcool、カッコイイという意味、台湾では「酷児」 がQueerの翻訳語で用いられてきた。これらの4つの意味を踏まえ、規範を批判する武器にするという積極的な意味も込められている。
②肢体に障害を持つ台湾の男性同性愛者の語りから、「カミングアウト」の経験について考察した。障害者であることは、セクシュアリティをカミングアウトする際の家族関係に対して必ずしも消極的に作用するわけではなく、むしろ障害者というマイノリティ性が家族規範と交渉する資源になったことを明らかにした。この事例は、家族制度を重視する華人文化圏で議論されてきた「カミングホーム・モデル」「カミングウィズ・モデル」と西洋文脈での「カミングアウト・モデル」である3つのモデルの切り替えや統合を行うカミングアウトの過程を提示した。この考察は、論文「『カミングアウト』をめぐる可変的な交渉過程」として学術誌に投稿中である。
③日本における障害のある性的少数者の活動を明らかにするため、当事者はいかに運動参加しているのか、メディアでみずからどのように発信しているのか、障害と性的マイノリティの交差はどのように表象されているのかについて、当事者活動に参加し、インタビュー調査をおこなった。その内容の一部を、カナダの研究者と共同研究を行い、国際学会であるInternational Conference on Disability Inclusion 2022で発表した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of Toronto Mississauga(カナダ)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] 障害とセクシュアリティの交差についての考察――台湾の肢体障害/男性同性愛者の経験から2021

    • 著者名/発表者名
      欧陽珊珊
    • 雑誌名

      CoreEthics

      巻: 17 ページ: 51-63

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Breaking Windows and Mirrors: The LGBTQ+/Disability Community's Representation in Japanese Media2022

    • 著者名/発表者名
      Shanshan Ouyang, Ronda Robinson, Stuart Kamenetsky
    • 学会等名
      1st International Conference on Disability Inclusion
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 台湾における障害のある性的少数者団体「残酷児(Disabled+Queer)」の形成と活動に関する考察2021

    • 著者名/発表者名
      欧陽珊珊
    • 学会等名
      第37回日本解放社会学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] A report of the situation of LGBT people with disabilities in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      OUYANG Shanshan
    • 学会等名
      障害学会第18回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] カミングアウト・ナラティブの再検討2021

    • 著者名/発表者名
      欧陽珊珊
    • 学会等名
      国際ジェンダー学会2021年大会ーラウンドテーブル3
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 障害者のセクシュアリティに関する考察――身体障害をもつ同性愛者の経験を中心に2020

    • 著者名/発表者名
      欧陽珊珊
    • 学会等名
      障害学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] クィアと障害の交差についての考察――台湾における障害のある性的マイノリティの当事者活動を事例として2020

    • 著者名/発表者名
      欧陽珊珊
    • 学会等名
      日本社会学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 『クィア・スタディーズをひらく3』第5章「残酷児」ーー台湾における障害のある性的少数者の実践2023

    • 著者名/発表者名
      欧陽珊珊
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771037458
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] OUYANG Shanshan(欧陽 珊珊) - 生存学

    • URL

      http://www.arsvi.com/w/os09.htm

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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