研究課題/領域番号 |
20J21577
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥津 明俊 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | AdS/CFT / Holographic QCD / QGP / Chiral Anomaly / Chiral Magnetic Effect / Chiral Anomakly |
研究開始時の研究の概要 |
最近では重イオン衝突実験や中性子星観測実験等のように、核物質が極限状態に置かれた現象を考察する上で、原子核の構造を記述する最も根本的な理論として考えられているQCDを直接用いようとすると、計算上の問題に悩まされる。これを回避し、より簡単に極限QCD物質の振る舞いを理解するために、非摂動的な手法、特にホログラフィック理論を用いる事が本研究の概要である。
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研究実績の概要 |
2021年度の前半(4月-7月)では2020年度に作成したプログラムをあらためて検討し、解釈し直した。その結果、結局クオークの質量を考慮し、電流が発散しないことを考慮した場合、有限の電流部分を考えることができて(これを後に投稿する論文でオーミックカレントと呼んでいる)、それが結局カイラルアノマリーに対して逆相関を示すことがわかった。これがなぜ起こるかはわからなかったが、これを論文にまとめることにした。そこで、論文の作成が8月から9月になり、ついに9月にジャーナルに提出できた。レフェリーのコメントは一週間足りずで返ってきたが、あまりにも長文で対応に困ったので、コメントの対応や論文の訂正などに数ヶ月要した。 この間に、日本物理学会秋の大会(9月)に参加したり、中央大学での発表を行ったりした。 そして、レフェリーへの対応や、論文の訂正などがついに終わったのは2022年3月のことで、ようやくPhysical Review D に論文 "Electric conductivity with the magnetic field and the chiral anomaly in a holographic QCD model" を投稿できた。 以降、QGPに回転効果を取り入れる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナによる、対面議論や海外との共同研究の機会損失が大きい。 実は、今年度の12月以降、オランダのホログラフィックQCDのある研究者と共同でQGP中の輸送現象についての理解を深めるべく共同研究を企てていたが、コロナによってオランダでのロックダウンなどの影響で困難になった。 また、対面議論がない中、勘違いのままで終わった議論が次回以降引きずられたり、悪影響しかなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、最近注目されている、QGP中での回転によって、閉じ込め温度が上がるか下がるかを特定したのちに、輸送現象の理解へと研究範囲を拡大しようと思う。
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