研究課題/領域番号 |
20J21677
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岩井 碩慶 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 社会性昆虫 / 社会寄生 / トゲアリ / 体表炭化水素 |
研究開始時の研究の概要 |
トゲアリはコロニー創設時に他種アリに寄生する社会寄生種である.一般的なアリ類の新女王は独力で産卵を行うのに対し,本種の新女王は他種アリの巣に侵入してからしか産卵を始めない.そのため,この一時的に宿主を必要とする機構にこそ,社会寄生の本質的な意義が内包されていると考えられる.しかしながら,トゲアリに関しては生態学的な観察があるのみで,分子レベルでの検証は殆ど行われていない.そこで本研究では飼育実験やマルチオミクス解析を通して,本種が採用している宿主依存型の産卵戦略に関わる分子メカニズムを明らかにし,社会寄生戦略の本質的な意義や獲得傾向の解明を目指す.
|
研究実績の概要 |
アリ類は高度な分業制に基づいた社会構造をもつ真社会性昆虫である.アリ類の中には,他のアリ種が持つ巣や労働力の一部,もしくは全てに依存することで生活をする社会寄生種が存在する.本研究では社会寄生種トゲアリを対象に,アリ類における社会寄生の進化背景の理解を目指している.22年度はトゲアリ新女王や非社会寄生種であるクロオオアリの新女王を対象に,コロニー創設の初期プロセスにおける網羅的な遺伝子の発現量解析を実施した.その結果,クロオオアリのような独力でコロニー創設を可能とする種では卵巣発達に関わる遺伝子が営巣前から高発現であるのに対し,トゲアリでは宿主との接触が本遺伝子の発現上昇に関わっていることが明らかとなった.この宿主に依存した卵巣発達プロセスこそが社会寄生戦略に関わっていると考えており,今後遺伝学的アプローチからその詳細な検証を進めていく予定である.また昨年度はトゲアリ新女王が行う巣仲間識別物質の偽装機構を初めて解明することに成功し,本知見を査読付国際学術誌『Frontiers in Ecology and Evolution』にて発表した(Iwai et al., 2022).さらにトゲアリから得られた数種の細菌に関するコンプリートゲノムのシーケンシングも実施し,本成果を共同著者として国際学術誌『Microbiology Resource Announcements』に発表した(Ishikawa et al., 2022).これらの研究により,トゲアリが行う社会寄生戦略の一端を解明することに成功したと考える.
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|