研究課題/領域番号 |
20J21879
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐久間 涼子 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 熱励起エバネッセント波 / 近接場計測 / パッシブ計測 / 分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,試料表面上の分子振動や電子運動に起因する微弱な電磁波をナノメートルスケールで計測する分光顕微技術を確立させる.検出波長8 -16 umをもつ3色CSIPをパッシブ分光光学系内に導入することで高波長範囲における分光計測を実現させ,誘電体やバイオサンプル上のナノメートルスケールのパッシブ分光を可能にする.得られたスペクトルからパッシブ計測における電磁波散乱原理を算出し,パッシブ近接場技術の基礎を構築する.さらに,検出器3色CSIPに表面プラズモン構造を導入することで量子効率増幅機構を付加し,本分光技術をナノサーモグラフィや物性顕微鏡へ発展させる.
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研究実績の概要 |
本研究では,格子振動等の物質のミクロなダイナミクスが起因し発生する熱励起エバネッセント波のパッシブ分光計測の実現と,パッシブ散乱理論の定式化を目的とした.熱励起エバネッセント波は物質表面に局在しており,局在波をプローブにより散乱し検出する近接場技術を用いて計測する.また,外部光を用いず放射光を直接取得するパッシブ計測法を用いる必要がある.近年,パッシブ型s-SNOMが開発され,格子および電子温度のパッシブ検出を可能にした.しかし,スペクトル検出による厳密な電磁波解析は実現されなかったため,本研究ではパッシブ型s-SNOMに分光機構を加え,熱励起エバネッセント波のパッシブ分光計測を実施した.構築したパッシブ分光s-SNOMを用いることで,熱励起エバネッセント波のスペクトル特性およびパッシブ散乱メカニズムを明らかにした. 本研究では,初めに検出波長帯域(8-16 μm)において信号効率60 %以上の分光光学系を設計し構築した.構築したパッシブ型分光s-SNOMの空間および波長分解能は,約100 nm, 150 nmであることが示され,パッシブ分光計測を実施するにあたり十分な分解能を有することが示された.パッシブ分光s-SNOMを用いて,検出帯域にフォノン共鳴波長を含まない金属(Au)と含む誘電体(SiC, GaN, AlN)上の近接場信号をパッシブに取得した結果,フォノン共鳴波長近傍において特異的な近接場信号の減衰特性が得られた.これらの近接場信号と計算値を比較することで,金属および誘電体におけるパッシブ散乱原理の提案に至った.本研究では,熱励起エバネッセント波のパッシブ分光計測を初めて実現し,これにともない熱励起エバネッセント波の検出特性の波長依存性を明らかにした.本技術は,今後,パッシブな物性顕微鏡や絶対温度測定技術へ発展すると期待される.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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