研究課題
特別研究員奨励費
本研究は,金鉱床の包括的な成因モデルを構築することを目的とする.具体的には,日本の代表的な金鉱床である,赤石,春日,菱刈,串木野,佐渡の5鉱床に対して,(1)熱水やマグマの活動のうち,金の鉱化に重要であった現象およびその継続期間を同定した上で,(2)どのような起源成分がどのような割合で混合したかを明らかにする.研究対象の5鉱床は,それぞれ異なる時代およびテクトニックセッティングにおいて形成されたと考えられており,これらの結果を総合することで,金鉱床の形成において普遍的に重要な条件を明らかにすることができると期待される.この条件をもとに,新たな金鉱床探査の指針を提案する.
本研究は、プレート沈み込み帯に位置する金属鉱床の鉱石およびその周辺岩石について、化学組成および重元素同位体比(Pb, Re, Os, Sr, Nd等)を分析することで、地球内部で生じる諸過程を考慮した熱水性金鉱床の包括的な成因モデルを構築することを目的としている。2022年度はおもに、南九州および南西北海道地域の結果に基づき総合考察を行い、博士論文としてとりまとめた。当該博士論文は東京大学大学院システム専攻学専攻優秀博士学生賞を受賞している。また、博士論文の内容について1件の国内学会(資源素材学会)で口頭発表を行い、1件の国際学会(EGU)でも口頭発表を行うことが決まっている。なお、博士論文のうち南九州地域の研究については、火山岩の化学組成およびSr-Nd-Pb同位体比データについての論文1件をまとめ、地球科学分野の国際誌に投稿を行った。本論文は、現在2度の査読を経て改訂中である。また、昨年度までに完了したニュージーランド沖ブラザーズ火山周辺域のRe-Os同位体比についての研究について、2件の国際学会で発表を行った。さらに、熱水性鉱床の地球化学に関する2件の国際共著論文がEconomic Geology誌およびChemical Geology誌に受理された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件)
Economic Geology
巻: 未定
Chemical Geology
巻: 610 ページ: 121092-121092
10.1016/j.chemgeo.2022.121092
Mineralium Deposita
巻: - 号: 1 ページ: 129-145
10.1007/s00126-021-01053-4