研究課題/領域番号 |
20J22102
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石山 玄樹 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 進化生態学 / 生物系統地理学 / 深海底生生物 / 古生物学 / 次世代シーケンサー / 多様化過程 / 腹足類 / 進化学 / 生物多様性 / 深海 / 軟体動物 / ゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
深海底の生物多様性は非常に高い。この生物多様性が創出されるメカニズムについて、これまでは水深差による隔離が主要因だと考えられてきた。しかし、深海底生生物の採集は非常に困難であるため、詳細な検証は行われてこなかった。本研究は、Bathyancistrolepis チヂワバイ属巻貝を用いて、史上最も網羅的な解析を行い、深海生物の多様化プロセスについて探る。さらに、化石を用いた解析を行い、種が分化した当時の環境について時間軸的な考察を行う。また、個体の分散能力が進化に与える影響がないか調べるため、タマガイ科貝類における発生様式の異なる近縁種を用いて、多様化プロセスを解析・比較する。
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研究実績の概要 |
2022年度はチヂワバイ属貝類の多様化過程解明に向けて、主に以下の内容について実施した。 ・化石標本を用いたチヂワバイ類の分岐年代推定:前年度に分類と出現年代を整理した、化石として出現する6種の情報を参考に分岐年代推定を行い,多様化時期や分散速度について検討した。とりわけ本属最古の化石である中期中新世の化石を主たる較正に用いた。その結果得られた系統樹より、COI遺伝子領域の分子進化速度は0.63 %/Myrと、他の分類群の値よりも遅い傾向にあると推定された。さらに、異所的に生じた分岐について、本属貝類は水平方向に80-220 km/Myrと非常に遅い速度で分散してきたと推定された。 ・SNPs解析による高解像度な遺伝的分化過程の解析:種内の遺伝的分化過程について、前年度まではサンガーシーケンサーによる解析に留まっていたこともあり明らかになっていなかった。そこで、現状最も個体数が多く、分布域が水平的かつ垂直的に幅広い種について、網羅的にSNPs解析を行い、集団構造を明らかにした。その結果、大きく3つの集団に分かれ、浅所の釧路・襟裳沖集団と東北沖集団は地理的隔離による分化と考えられる一方で、東北集団内では水深差による遺伝的分化が生じていると推定された。この結果からより強固な議論をするためには、釧路・襟裳沖の水深2000 m付近の個体を解析に加える必要がある。 ・KH-22-8航海による新たなサンプル採集:9月30日から10月17日までの期間に、研究船「白鳳丸」に乗船し、襟裳沖の漸深海帯から超深海帯(2000-8000 m)の深海底生生物調査に参加した。この航海で、チヂワバイ類の生貝標本4種8個体を得た。特に、「SNPs解析による高解像度な遺伝的分化過程の解析」にて不足していた襟裳沖2000 mの標本が得られた。2023年度の採用延長期間中にこのSNPsを取得し、解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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