研究課題/領域番号 |
20J22599
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邉 樹 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2020年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 和漢聯句 / 漢聯句 / 細川幽斎 / 中院通秀 / 城西聯句 / 英甫永雄 / 良恕法親王 / 中院通勝 / 禅林聯句 / 策彦周良 / 中世日本文学 / 漢詩 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の研究は、中世末期の和漢聯句の作品を注釈的に読みことを通して、当時の文芸における漢文学享受の有様や、作者らの教養世界の一端を解明するものである。具体的な作品として第一年度に『策彦紹巴和漢千句』、第二年度に『永雄素然和漢千句』、第三年度に〈細川幽斎の和漢聯句作品〉を取り上げる。各作品の注釈に際しては、作者らの他の和漢聯句作品・禅林聯句作品はもちろん、各々の和歌や詩の世界との比較を行う。注釈に平行して書陵部蔵『聯句集』、京都大学付属図書館蔵『聯句集』はじめとする禅林聯句資料の調査・翻刻・作品リスト作成を進め、禅林聯句作品を研究に活用できる準備を進める。
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研究実績の概要 |
『室町後期和漢聯句作品集成』に収められる、年次の明らかな和漢聯句作品における細川幽斎の句に対する注釈的な検討を終えたが、その他年次未詳の和漢聯句への注釈については、途上に終わった。しかし、調査の過程で、龍谷大学図書館写字台文庫蔵『〔和漢聯句集〕』に、天正十六年閏五月三日の細川幽斎参加の和漢聯句の伝本一件が含まれていることを発見した。同作品は『室町後期和漢聯句作品集成』等に未載である。同作品の伝本は他に上杉博物館蔵宇津江家文書所収の懐紙が知られるが、年次の記載がない。年次を明らかにする該本の発見は意義のあるものと考える。 その他聯句・和漢聯句関連資料の収集・整理面では、当年度、原蔵者の許可を得て稿本『城西聯句』の複製を入手し、校勘作業を進めることができた。同作品の校勘作業の最終的な完了はいまだしい状況である一方、当年度の調査により、写字台文庫蔵の『[聯句]』が、未紹介の『城西聯句』の伝本であることを確認した。近世における『城西聯句』受容の一斑をうかがわせる資料であり、『城西聯句』諸本の校勘においても有意義な発見である。なお同文庫所蔵の『聯句集』もまた未紹介の漢聯句の総集であることを見出した。 さらに、天理大学附属天理図書館綿屋文庫蔵『和漢聯句古事』に関する調査を整理し、「和漢聯句における漢詩文受容」として学会発表した。発表では特に中院通秀の脇句に注目し、その表現が、室町期公家文化における杜甫受容という面からみて興味深いだけでなく、「和漢聯句」という文芸の意義を考察するうえでも示唆に富むことを論じた。これにより、本年度に発表の「永正十三年七月二十九日和漢聯句」訳注とも併せて、室町期和漢聯句における漢詩文受容の一面が、具体的に明らかになった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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