配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究実績の概要 |
本研究課題では,脳活動を計測することで外部機器を操作するBrain-Machine Interface (BMI)技術における,神経活動の読み取り・解読(デコード)性能の向上を背景とし,限られた計測範囲内の神経活動からより広範囲の神経細胞集団の状態推定を目的としている.直接計測されない神経活動をデコードに利用することができれば,より多くの神経細胞の情報を利用可能となることでデコード性能が向上すると考えられる. 上記の神経細胞集団の状態推定手法を開発し,サルBMIデータに適用した.公開されているサルBMIデータセット2件[Brochier, Scientific Data, 2018; O'Doherty, Zenodo, 2017]を利用し,直接計測されない神経活動の推定値をデコードに活用することでBMIの性能が向上することを示した.以上の研究成果をまとめ,論文として発表した(Asahina, et. al., Journal of Neuroscience Methods, 2023). また,神経細胞集団が複数存在する場合についての推定理論の拡張を進め,培養神経回路網に適用した.神経回路網において複数の情報が並行して表現される様子を,上記の手法を用いることで観察した.以上の研究成果は学会で発表した(電気学会 電子・情報・システム部門大会,2022年8月). 以上の研究成果により,本研究課題において当初の目的であった「少数の神経活動のみから全体の活動を推定し,高性能なデコードを行うこと」を達成し,BMI利用者のQOL向上に繋がる可能性を示した.
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