研究課題/領域番号 |
20J23198
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
NG SU PING 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Adipocyte / Methylglyoxal |
研究開始時の研究の概要 |
生命にとってエネルギー恒常性の維持は必須であるため、生体内のエネルギー恒常性は様々な様式で担保されている。その中で、脂肪組織は主として糖代謝や脂質代謝に関与することでエネルギー恒常性の維持に寄与している。一方、糖代謝経路(解糖系およびクエン酸回路)の代謝物の中には、単なるエネルギー代謝の中間体としての役割以外の生理機能を有する代謝物が存在することもわかってきている。本研究では、脂質代謝をはじめとする脂肪細胞機能に及ぼす解糖系代謝物の機能について、代謝性シグナル分子の視点から解析することで、エネルギー恒常性に寄与する脂肪組織における解糖系代謝物と脂質代謝を繋ぐ新規な制御機構の解明を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究では、『解糖系代謝物による脂質代謝シグナル制御機構』モデルの立証に、モデル代謝物であるメチルグリオキサール(MG)の脂肪細胞における糖・脂質代謝関連シグナル伝達機構への関与を解析してきた。昨年度までの解析で、3T3-L1脂肪細胞において、MGはインスリン刺激による糖取り込み活性を阻害することを見出した。MGによる糖取り込み阻害に関しては、MGがmTORC1を活性化することでインスリン抵抗性様の作用を引き起こしている可能性を見出した。 本年度は、MGによるmTORC1の活性化機構について解析を進めるとともに、インスリン抵抗性の主要な要因の一つであるインスリン受容体基質IRS1のセリン残基のリン酸化に着目することで、MGによる糖取り込み阻害機構の解明を行った。その結果、MGが3T3-L1脂肪細胞においてストレス応答性MAPキナーゼであるp38の活性化を介してmTORC1を活性化することを見出した。また、MGは炎症性サイトカイン(Il6、Ccl2)の発現を上昇させ、その発現上昇は、炎症に関わるシグナル伝達経路で中心的な役割を果たす TAK1の阻害で抑制された。さらに、MGによるp38-mTORC1経路の活性化もTAK1の阻害剤により抑制されたことから、MGは脂肪細胞においてTAK1-p38-mTORC1経路を活性化することが明らかとなった。MGによるTAK1-p38-mTORC1経路の活性化はIRS1のセリン残基のリン酸化上昇に寄与しており、TAK1-p38-mTORC1経路の阻害でMGによる糖取り込み阻害が解除されたことから、MGによるインスリン抵抗性様の作用はTAK1-p38-mTORC1シグナル伝達経路の活性化が関与していることが強く示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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