研究課題/領域番号 |
20J23448
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
峯岸 雄基 埼玉県立大学, 保健医療福祉学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 末梢神経損傷 / 脱神経期間 / 運動介入 / 運動ニューロン / 脊髄神経回路 / Synaptic stripping / 運動機能回復 / 運動 / 神経筋接合部 / 軸索再生 / 坐骨神経圧挫モデル |
研究開始時の研究の概要 |
末梢神経損傷後は神経再生が起こるが、四肢近位部での損傷後は運動機能障害が長期的に残存する。損傷部位から標的器官までの距離が長いことによる脱神経期間の延長が一要因として挙げられ、脱神経期間の延長による運動機能障害に対して運動療法が及ぼす影響を、シナプス可塑性に焦点をあてこれまで取り組んできた。しかし、大脳皮質まで含めた運動を担う神経回路の接続様式の変化や、この変化に関わる遺伝子・タンパク質の発現動態は明らかになっていない。そこで本研究では神経トレーサーや電気生理学的解析、プロテオーム解析を駆使して、末梢神経損傷後の機能回復を促進する神経回路の接続様式と、その分子機構を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本研究は,末梢神経損傷後の中枢神経回路の可塑的変化と機能回復を促進する機序を明らかにすることを目的とした.損傷後の運動機能回復を規定する一要因である脱神経期間に着目し,脱神経期間の異なる坐骨神経圧挫モデルに対する運動介入が,運動ニューロン(MN)とシナプス関連タンパク質との接触(シナプス被覆率)に及ぼす影響を検証した. 結果として,脱神経期間が短い場合,運動介入により早期の時点でMNと一次求心性ニューロン終末(VGLUT1+)との再接続が図られること,また,時間は要するものの軸索断裂後は自然治癒により再接続が図られることを示した.一方,脱神経期間を延長した場合,運動介入の有無にかかわらず,一次求心性ニューロン終末(VGLUT1+)はMNから撤退したままであった.興味深いことに,興奮性グルタミン酸作動性(VGLUT2+),GABAおよび/またはGlycine作動性(VGAT+またはGAD67+)ニューロン終末は,いずれも運動介入の有無で,MNとの接触に有意差を認めなかった.なお,運動機能評価と腓腹筋CMAP振幅は,SC-EX 群では圧挫後4週時点までSC群に比べ有意に高かった.MSC-EX群は,圧挫後4週から12週時点までMSC群に比べ有意に高かった.したがって,脊髄神経回路の可塑的変化にはMNへの求心性入力が必要であり,軸索断裂後に脱神経期間を延長することでMNへの求心性入力が遮断された状態が延長された場合,運動介入による一次求心性ニューロン終末との再接続を促進する効果は得られないことを示した.また,脱神経期間の延長により脊髄神経回路の可塑的変化が得られない場合でも,運動介入により運動機能回復や機能的回復を促進した.そのため,予後不良とされている絞扼性神経障害者の罹病期間や神経移植術における手術待機時間の長い患者においても,運動介入により機能回復を促進する可能性がある.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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