研究課題/領域番号 |
20J23739
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
久岡 知輝 滋賀県立大学, 環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ミバエ / 検疫害虫 / ナスミバエ / 産卵選好性 / 寄主植物 / ジェネラリスト / 分子系統解析 / 性的対立 / 繁殖干渉 / スペシャリスト / 種間相互作用 / 系統 / 不妊虫放飼法 |
研究開始時の研究の概要 |
経済のグローバル化に伴い、検疫害虫の侵入と経済的な被害は大きな問題となっている。果菜を加害するミバエ類は代表的な検疫害虫であり、特にミカンコミバエとウリミバエが世界中に侵入して猛威を振るっている。しかし、巨額のコストが永遠にかかり続ける不妊虫放飼法以外に効果的な防除策はなく、効果的でコストの小さな新たな防除策が求められている。そこで、近年注目されている繁殖干渉(負の性的相互作用)を利用して、不妊虫の代わりに近縁な別種のオスを利用することで、ミバエの被害を防ぐ新たな防除策が確立できないかと考えている。この繁殖干渉を利用したミバエ類全体に対する防除法を構築し、提案することを試みる。
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研究実績の概要 |
ミバエ類の国内への侵入は、物の輸入や旅行者による持ち込み、および周辺生息域からの飛来によると考えられている。害虫ミバエ類はさまざまな寄主植物の利用報告があるため広食性種とされるものの、実際には地域間で主に利用する寄主植物に違いがあることが多い。そのため、侵入種の由来する地域を特定できれば、有効な防除対策の策定が期待できる。現在、遺伝情報を用いた解析は、このためのもっとも有効な手法である。 異なる時期に与那国島(1984年)と沖縄島(2010年)に侵入したナスミバエは、野外での寄主植物利用パターンが異なることが指摘されていた。すなわち、与那国島と沖縄島に侵入した個体群は、それぞれナスとキダチトウガラシを主に利用していた。本研究では、これらの個体群の累代飼育虫を用いて、産卵選好性を調査した。その結果、与那国個体群は野外での調査と同様にナスを選好したが、沖縄個体群はトマトに選好性があった。野外調査と傾向は一部異なったが、ナスミバエは異なる選好性をもつ2つの個体群である可能性が考えられた。次に、この2つの個体群が遺伝的に別の系統であるかを分子系統学的手法を用いて検証した。また、沖縄県全域で採集された過去20年間のナスミバエの標本を用いて遺伝解析を行うことで、両個体群の現在の分布や遺伝的多様性が異なるのかを検証し、どのように本種が侵入および分布拡大したのかを推定した。その結果、両個体群は異なるハプロタイプをもっていた。沖縄個体群は、マレーシアのナスミバエと同じハプロタイプをもつことから東南アジア由来であり、与那国個体群はそれとは別の地域の個体群である可能性が示唆された。また、現時点ではデータが十分でないが、2つのハプロタイプの変遷を時系列的にたどると、沖縄個体群がなんらかの適応的に有利な形質を持つことにより与那国個体群を排除している可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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