研究課題/領域番号 |
20J40022
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒柳 幸子 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 重力波 / 非ガウス性 / データ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
2015年の重力波初検出を発端に、重力波天文学は目覚ましい発展をとげている。急速に整いつつある重力波観測体制の中、今後は「背景重力波」の検出が期待されている。地上重力波実験の周波数帯では、ブラックホール起源の重力波が重なり合って生じる背景重力波が存在すると考えられており、すでに観測されている重力波の強度や頻度から、今後数年内に検出できると予測されている。本研究では、連星からの背景重力波に特徴的に現れる非ガウス性を用いて、背景重力波の起源を解明するための研究に取り組む。非ガウス性の度合いは、重力波源の質量分布や赤方偏移分布に大きく依るため、ブラックホール形成史にも示唆を与えられると期待される。
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研究実績の概要 |
初年度はブラックホール連星起源の背景重力波が持つ非ガウス性を調べるための理論研究に取り組んだ。ブラックホール連星起源の背景重力波スペクトルと、その非ガウス性と関連づけられる量であるDuty Cycleを計算するコードを開発した。まずはブラックホール連星の質量分布と赤方偏移分布に、原始ブラックホールシナリオから予想されるものを用い、先行研究と結果が一致することを確かめた。現在は、質量・赤方偏移分布をブラックホールが星起源であるシナリオから予想されるものに変更し、スペクトルやDuty Cycleに現れる違いを調べている。 また、ブラックホール連星とは別に、非ガウス的な背景重力波を生成する可能性のある宇宙ひも起源の背景重力波に関する研究も進めた。三叉構造を持つ宇宙ひもが生成する背景重力波スペクトルを計算した論文はJournal of Cosmology and Astroparticle Physicsに掲載された。また、パルサータイミングのデータを用いて、宇宙ひもからの単独重力波バーストを探索し、検出されなかった事実から宇宙ひものパラメータに制限を与え、論文がMonthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載された。 他にもインフレーション起源の背景重力波に関する論文を執筆し、2編がJournal of Cosmology and Astroparticle Physicsに掲載された。 理論研究を進める一方で、重力波データ解析の準備も進めた。LIGO内で背景重力波のデータ解析に使われているコード(MatApps)を使えるよう計算機環境を整え、テストランを済ませた。現在、LIGO内では非ガウス的な背景重力波を検証するための議論が活発に進められているため、毎週行われているテレコンに参加し、今後のコード開発の方針を検討している。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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