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B型肝炎ウイルス感染による線維化発症メカニズムの解明と新規治療標的の同定

研究課題

研究課題/領域番号 20J40236
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分54030:感染症内科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

姫野 美沙緒  東京大学, 医学系研究科, 助教

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードB型肝炎ウイルス / 肝星細胞 / iPS細胞 / 肝硬変 / 三次元共培養
研究開始時の研究の概要

B型肝炎ウイルス(HBV)感染による肝障害は、肝硬変や肝がんといった重篤な肝疾患の原因となる。肝星細胞は障害肝細胞からのシグナルにより活性化してコラーゲン等を産生し、肝線維化の進展に主要な役割を果たしている。本研究では、当該研究室開発のiPS細胞由来静止期星細胞を用いて三次元培養HBV感染モデルを作成し、HBV感染における線維化発症メカニズムの解明と新規治療標的の同定を行う。始めに三次元培養の条件検討を行い、次に最適化された培養条件における肝細胞、星細胞のトランスクリプトーム解析を行う。ここから新規治療標的の同定を試みる。

研究実績の概要

本研究では、肝細胞のHBV感染における星細胞の関与について明らかにする。構築したモデルを用いて肝疾患に対する新規治療標的や治療薬候補の同定することも目的とする。
当該年度では、肝細胞単独培養と肝細胞・星細胞共培養のR N A発現量を比較した。その結果、HBV複製に関与することが報告されているHSP90とPPARαの発現量が、星細胞との共培養系で亢進することが分かった。この他にHBV複製に関与するHNF4αは共培養によって発現量が変化しないことも明らかとなった。
HBV感染は肝線維化や肝硬変を引き起こすため、本培養系でのHBV複製による星細胞の活性化について検討した。HBVのウイルス産生をテトラサイクリンで制御可能なHepAD細胞と静止期星細胞を共培養し、HBV複製によって星細胞が活性化するかどうかを調べた。星細胞の活性化は活性化マーカーであるαSMAの下流にRFPあるいはルシフェラーゼを導入したレポーターiPS細胞を用いて調べた。その結果、この培養系では星細胞の活性化が示されないことが分かった。形態観察から星細胞はHepAD細胞との共培養が困難であると推察された。この点については培養系の改善等がさらに必要であると考えられる。
また、様々な新規合成化合物のHBV複製抑制活性と星細胞活性化抑制効果について調べた。その結果、複数のHBV複製抑制活性を持つ化合物を同定した。
以上本研究全体において、静止期星細胞と肝細胞の三次元共培養系を確立し、静止期星細胞は肝細胞におけるHBV複製を亢進することを明らかにした。このメカニズムは、星細胞のセルカルチャーインサートによる間接的な共培養ではなく、直接的な三次元共培養による肝細胞でのHBV複製亢進タンパク質の発現上昇によると示唆された。新規合成化合物を培養系に供することで、星細胞の活性化を抑えずHBV複製を抑制するHBV治療薬候補分子を見出した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Co-culture Model for Hepatitis B Virus Infection Using iPSC-Derived Liver Progenitor Cells and Liver Sinusoidal Endothelial Cells2022

    • 著者名/発表者名
      Misao HIMENO, Shin-Wei Chen, Taketomo Kido
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: 2544 ページ: 107-117

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-2557-6_7

    • ISBN
      9781071625569, 9781071625576
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of human iPSC-derived quiescent hepatic stellate cell-like cells for drug discovery and in vitro disease modeling2021

    • 著者名/発表者名
      Koui Yuta、Himeno Misao、Mori Yusuke、Nakano Yasuhiro、Saijou Eiko、Tanimizu Naoki、Kamiya Yoshiko、Anzai Hiroko、Maeda Natsuki、Wang Luyao、Yamada Tadanori、Sakai Yasuyuki、Nakato Ryuichiro、Miyajima Atsushi、Kido Taketomo
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports

      巻: 16 号: 12 ページ: 3050-3063

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2021.11.002

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マイケルアクセプターを有するアルカロイド類似化合物群の骨格多様化合成による抗B型肝炎ウイルス活性分子の創製2022

    • 著者名/発表者名
      金子信人、久保田大貴、姫野美沙緒、木戸丈友、宮島 篤、大栗博毅
    • 学会等名
      日本化学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] B型肝炎ウイルスの感染・複製を阻害するアルカロイド類似化合物の探索2021

    • 著者名/発表者名
      姫野 美沙緒、木戸 丈友、久保田大貴、大栗博毅、宮島 篤
    • 学会等名
      第28回肝細胞研究会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 肝胆膵、iPS細胞から肝類洞壁細胞への分化誘導法2021

    • 著者名/発表者名
      姫野美沙緒、木戸丈友
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      アークメディア
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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