研究課題/領域番号 |
20K00006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
篠原 雅武 京都大学, 総合生存学館, 特定准教授 (10636335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 人間の条件 / 人新世 / 人間ならざるもの / 前言語的次元 / 写真論 / チャクラバルティ / 場所論 / 空間論 / 翻訳 / 場所 / 惑星的なもの / 新しいエコロジー / 写真 / 「人間以後」の哲学 / 空間 / 雰囲気 / リズム |
研究開始時の研究の概要 |
現在は、人新世(Anthropocene)と呼ばれる、人類史上の画期的時代転換であるといわれている。 この状況を踏まえ本研究は、哲学固有の問題といえる人間の存在条件をめぐる考察を、人新 世における人間の生存条件の可能性をめぐる問いへと展開する。そのためにも、人間の条件に関して、人間をも含む諸存在が共存することを可能にするものとしての開かれた空間という観点を定め、地球的・自然的なものとしての外的世界との接触と相互連関・浸透のなかで 形成されていくものとして哲学的に概念化・理論化することを目指す。さらに、建築やアート実践における空間を主題と する作品実践の成果の調査研究を進めていく。
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研究成果の概要 |
本研究「人新世の空間哲学:リズム・気配・人間ならざるものとの共存の空間をめぐって」は、人新世的な状況に生きているという想定のもと、「人間の条件」をめぐる問題に関して、哲学的な観点からそれが何かを明らかにするという課題に取り組み、いくつかの成果をえた。人間存在の条件に関して、人間世界と人間ならざるものの世界の二つの世界の相互浸透性を強調する立場から議論を進めたのであるが、次第に、人間世界の限界において垣間見られることになる、前言語的な領域としての雰囲気、リズムの存在をいかにして言語的に表現するか、そのために要請される、哲学的文章のスタイルへの問いをめぐる議論へと展開することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、人新世に関する哲学的な考察をめぐる、英語圏での研究状況との接点で、その状況の理論的整理と解釈、および翻訳を通じた紹介を行うことを試みるなか、い人新世という自然科学の側で提起された状況認識を踏まえつつ、それを人間生活の条件に関わる問題として哲学的に定式化し直し、哲学的思考の拡張の可能性をめぐる議論の状況を整理することに貢献した。また、人新世的状況における人間の条件を哲学的な言語で表現するという課題への取り組みに際しては、芸術実践との接点で、そことの対話的関係が求められるということ、そこでアーティストとの対話と、その作品から示唆を得ていくことの大切さを示すことができた。
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