研究課題/領域番号 |
20K00010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
藤田 博司 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 講師 (60238582)
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研究分担者 |
黒川 英徳 金沢大学, GS教育系, 准教授 (30710230)
菊池 誠 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (60273801)
池田 真治 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (70634012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 連続体問題 / 連続体の哲学 / 数理哲学史 / 数理論理学 / 公理的集合論 |
研究開始時の研究の概要 |
連続とはどういう意味か、数学(集合論・数理論理学・数学史)と哲学(認識論・心の哲学・数理哲学史)の両面からアプローチして解明を試みる。そのことを通じて数学と哲学の新しいインターフェイスを形成することをも目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究ではまず数学基礎論の従来の理解を問いなおす作業を進めている。現在は研究代表者および3名の研究分担者(池田・菊池・黒川)がそれぞれに文献の検討をおこなっている。2021年度には以下のテーマを中心に研究が行なわれた。(1)ニュートンとライプニッツの無限小解析、および、その哲学的批判者たちの議論の検討(池田)(2)集合論における連続体問題研究の現状の分析とその哲学的評価(藤田)(3)現代の数学基礎論において連続体の論理的代替物として研究されている2階の自然数論および実閉順序体の理論の現状の分析(菊池)(4)証明や計算、構成といった概念の数学的定式化についての論理学的および哲学的考察(菊池・黒川) 現時点での実績をまとめたものとして、位相数学の基礎概念を概説した書籍『位相空間のはなし』(日本評論社)を藤田が2022年7月に出版した。この書籍においては、位相数学の諸概念をあえてイデア的なものと位置づけ、図形的・直観的なイメージの世界と抽象的な論理の世界の往還をテーマとして解説している。また、藤田は、雑誌『数理科学』2022年7月号に、位相空間の距離づけ理論を概説した記事「距離空間と距離化定理」を執筆した。藤田・菊池・池田は、雑誌『数学セミナー』に実数と連続体に関連した記事をそれぞれ執筆し、これらは2023年6月号に掲載予定である。 なお、2023年度が研究計画の最終年度であることから、これらのテーマに関する研究集会を開催することを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究課題に関連する報告記事の執筆が多少なりとも進んではいるが、研究計画の遂行という観点からは遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
より一層の進捗が望まれる課題として(a)日本において数理論理学のほとんどすべての分野と数理哲学に多大の貢献をなした竹内外史の業績のさらなる分析(菊池・黒川)および(b)認識論や心の哲学の研究者との討議を通じた、連続体の数学的定式化の再検討(藤田・池田)が考えられる。これらの課題について、2023年度には、これまでリモートに限定していた研究討議を対面でも実施し、より活発に進める所存である。また、研究集会等を開催することを計画する。
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