研究課題/領域番号 |
20K00021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 上智大学 (2022) 甲南大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
川口 茂雄 上智大学, 文学部, 准教授 (90830050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 哲学 / 九鬼周造 / 手書き資料 / 書簡 / 哲学史 / 日本哲学史 / J哲学 / 西洋哲学史 / 日本哲学 / フランス哲学 / アーカイヴ / 可能性 / 偶然 / 自由 / 偶然性 / 19世紀 / 超越論的哲学 / 認識論 / パスカルの賭け / 精神史 / 歌物語 / 京都学派 |
研究開始時の研究の概要 |
九鬼周造文庫(甲南大学図書館)に保管されていることが判明した全集未収録資料、および、全集との編集上の関連が明確でない資料などについて、整備・解読・解釈を本研究は企図する。研究作業は4つのモジュールで構成される。①手書き資料の整備・解読、②原資料などの参照による既公刊著作の文献学的な再吟味、③資料内容の哲学史的・精神史的な観点からの分析と解釈、④グローバルなデジタル・アーカイヴ時代における図書館と資料公開のあり方をめぐっての再検討。
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研究成果の概要 |
研究期間にコロナウイルス禍による社会活動の制限が大きく重なり、当初計画とは異なる可能な事柄を実行するかたちとならざるをえなかった面は多かったが、そうではあるものの、甲南大学九鬼周造文庫に未分類のまま保管されていた資料の一定数について、調査検討の結果、これを九鬼自筆の書簡草稿および九鬼宛ての書簡として認定するにいたった。この認定は、日本哲学研究・日本哲学史研究においてひとつの画期をなす研究成果である。2021年10月に大学の広報部署を介したプレスリリースのかたちで公開し、また新聞社による取材に対応した。資料の調査解読については今回研究期間内でのアウトプットには至らなかったが、今後も継続する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
九鬼自筆の書簡草稿および九鬼宛て書簡の発見は、日本哲学研究・日本哲学史研究の文献学的側面における画期的な学術的成果である。また思想研究的側面においては、各年度「九鬼周造記念講演会」シンポジウムの記録をオープンアクセス形式で公開し、研究者だけでなく一般市民にもアクセスしやすいという社会的意義を有する、学術研究水準のアウトプットを実現した。あわせて当研究が見出した課題点として、現在の国内の実情において、資料としての位置づけや分類がなされていない手書き資料の広範な調査・研究の必要性がある。知見を有する専門研究者と、文化財たる貴重資料を所蔵する機関との有意義な情報共有や連携を促進する必要がある。
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