研究課題/領域番号 |
20K00050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
早坂 俊廣 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (10259963)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 明清期寧波・紹興地域 / 邵廷采 / 全祖望 / 梁啓超 / 姚江書院 / 冬青の役 / 章学誠 / 劉宗周 / 明清期寧紹地域 / 黄宗羲 |
研究開始時の研究の概要 |
明清期寧波・紹興地域に視座を据え、「学んで聖人と為る」ことを目指していた「宋明理学」(哲学)から如何にして「実事求是」の学問(歴史学)が生み出されてきたのかを、劉宗周(1578~1645)・黄宗羲(1610~1695)・邵廷采(1648~1711)・全祖望(1705~1755)・章学誠(1738~1801)ら同地域の思想家に即して分析する。そのことで、中国近世における学知(学問を貫くディシプリン/パラダイム)のあり方を再考する。
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研究実績の概要 |
本研究は、明清期寧波・紹興地域に視座を据え、「学んで聖人と為る」ことを目指していた「宋明理学」(哲学)から如何にして「実事求是」の学問(歴史学)が生み出されてきたのかを、劉宗周(1578~1645)・黄宗羲(1610~1695)・邵廷采(1648~1711)・全祖望(1705~1755)・章学誠(1738~1801)ら同地域の思想家に即して分析すること、さらにそのような分析を通して中国近世における学知(学問を貫くディシプリン/パラダイム)のあり方を再考することを目指している。本年度は、昨年度に公表した「邵廷采と全祖望(上)」(『信州大学人文科学論集』 Vol.9(2))の続編として、早坂俊廣「邵廷采と全祖望(下)」(『信州大学人文科学論集』 Vol.10(1)、2022年)を発表した。この論考は、邵廷采の「史学」及び全祖望の邵廷采批判に対する考察である。前者については梁啓超らの評価を中心に分析し、後者については、両者における、「冬青の役」に関する歴史記述の相違及びそれぞれの一族の記録に対する態度の相違を詳細に比較考察した。この「邵廷采と全祖望」上下編の完成により、本研究の目的は9割方達成することができた。また、近年の日本に於ける章学誠研究の調査にも着手し、先行研究の大半を入手することができた。さらに、邵廷采の研究が進展するに従い、毛奇齢という思想家の存在にも注視するようになった。毛奇齢の思想資料を収集し、その思想的位置付けについて検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ渦の影響を受け、申請時に予定していた現地調査が全く実施できていない。ただし、研究計画立案の時から温めていたテーマについて、上下編からなる論考を発表することが出来たので、「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目論見では、邵廷采と全祖望に関する考察が完了した時点で、すぐに章学誠の検討に移る予定であった。しかし、明清期寧波・紹興地域における宋明理学と歴史学の相剋/共鳴を考えるうえで、毛奇齢という思想家を看過できないと考えるようになった。毛奇齢は、邵廷采と密接な学術交流をもっていた一方で、やはり全祖望から激烈に批判された思想家であった。今後は、章学誠思想の検討と並行して、これまで収集した思想資料を活用し、毛・邵・全三者の関係性について考察を行っていくことにする。
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