研究課題/領域番号 |
20K00053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
末永 高康 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (30305106)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 礼記 / 大戴礼記 / 喪礼 / 喪大記 / 雑記上下 / 喪服小記 / 『礼記』 / 『儀礼』 / 変除礼 / 儀礼 / 喪服 / 雑記 |
研究開始時の研究の概要 |
前世紀末以後の新出土資料の大量の出現によって、現在、中国古代思想史の再構築がすすめられているが、両戴記(『礼記』と『大戴礼記』)の主たる構成要素の一つである礼経の「記」(注釈)としての諸篇についての研究は依然立ち遅れたままである。 本研究は、『儀礼』における礼経の完備化の過程を受け継ぐものとして、特に『礼記』の喪服小記、喪大記、雑記の諸篇を重点的に取り上げ、これらの諸篇の分析を通じて、古代中国における礼学の展開の一端を明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
経書に残された喪礼に関する記載について、『儀礼』喪服「経」「記」「伝」の間には、喪服の体系や、礼思想に違いが見られることを明らかにし、そこに礼経を完備化されていく過程を読み取るとともに、この過程との関係において『礼記』諸篇の喪礼に関する各記載を思想史的に位置づけることができた。特に、喪のステージが進むにしたがって喪服を改めていく変除礼の完備化の過程や、士喪礼を基盤にして大夫以上の喪礼が整備されていく過程について、思想史的に明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統的な経学の枠組みにおいては、経書中の礼に関する各種の記載の背後に統一的な礼の体系が存在するとされ、この仮定のもとにその解釈が積み上げられてきた。本研究は、これらの記載が歴史的に形成されてきた過程を明らかにすることにより、伝統的な経学を創造的に解体し、これらの記載に対してより合理的な解釈を与えるとともに、その背後にある礼学および礼思想の展開を思想史的に語る道筋を付けることに成功した。ここに本研究成果の学術的意義がある。また、経書を伝統的な経学の枠組みから解放して社会に還元した点に、本研究の社会的意義がある。
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