研究課題/領域番号 |
20K00054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉木 恒彦 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (40422349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サーダナニディ / カンバラ / 後期密教 / サンヴァラ / タントラ / ダーカールナヴァ / アビダーノーッタラ / ヨーギニー / 密教 / インド / ネパール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インド大乗仏教のうち後期密教の論書であるカンバラ(Kambala)作『成就法の大海』(10世紀後半頃編纂)の第1~3、15~24、26~27、29、33、35~36、38~39、41~42章(合計23の章)の世界初の梵語校訂テキストと英語訳注を作成し、それらの章が説くヨーギニー(呪的力をもつ女性)論ならびに関連諸論を分析し、それらの成果を公開性ある学術媒体を通して国内外に提供することを目的とする。これにより、インド後期密教の主要な文献の一つが校訂テキストや英訳の形で参照可能になるとともに、後期密教の重要な特徴であるヨーギニーの一側面(本文献から見えるもの)が明らかになる。
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研究実績の概要 |
本件研究課題は、10世紀頃にインドで編纂された密教文献であるカンバラ作『成就法の蔵庫』のヨーギニー関連の合計23の章(第1~3、15~24、26~27、29、33、35~36、38~39、41~42章)の梵語校訂テキストと英語訳注の作成を完成することを目的とする。これらが刊行に至れば、該当諸章の校訂テキスト・訳注の世界初の刊行となり、国際的なインド密教研究の基礎研究の進展に対する着実な貢献となる。 2022年度、研究代表者は、全ての該当章について梵語校訂テキストと英語訳注の草稿を完成させ、校訂テキストと英訳の精緻化と英文注の充実化を進めた。研究協力者の方々と2022年9月と2023年3月にオンラインで2回研究会を行って研究代表者作成の梵語校訂テキストと英語訳注の内容を議論し、2023年1月には国際サンスクリット学会(オンライン)において研究成果の一部を含めた口頭発表を行った。また、必要な補助資料(サンスクリット語写本群)をドイツのゲッチンゲン大学からオンラインで取り寄せた。 以上の成果に加え、『成就法の蔵庫』が、『ヴァジュラダーカ・タントラ』等のヨーギニータントラの諸伝統のみならず、真実摂経系や秘密集会系やチャトゥシュピータ系などの様々なインド密教の諸伝統の経典・論書や、さらに12世紀にインド密教の綜合を試みたアバヤーカラグプタ作『伝承の花房』との類似文を多く含んでいることを確認することができた。これにより、『成就法の蔵庫』の文献史上の意義もより明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ過により対面をともなう出張を行うことに慎重でなければならず、また国際学会もオンライン開催が決定される等、とりわけ海外での活動についてはその全てをオンラインで実行した。それでも研究を大分進めることはできたが、当初予定していたインドやネパールでの現地写本調査を行うことはできなかった。これが「おおむね順調に進展している」と自己評価した理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は対面での海外出張が通常通り可能となるので、研究代表者は、これまでできなかった現地調査を進めていく(海外出張費使用)。また、研究代表者は、引き続き『成就法の蔵庫』の梵語校訂テキストと英語訳の精緻化を高めていく。同時に、調査する文献の範囲もさらに広げつつ、『成就法の蔵庫』と他文献の間の類似文をできる限り多く探し出し、英文注の内容をより充実させていくとともに、それら類似文を梵語校訂テキストと英訳の精緻化へとフィードバックさせていく。さらに、研究成果の刊行(英語論文)のために、英文校閲費用と論文掲載料(APC)の支出も多く計画している。
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