研究課題/領域番号 |
20K00066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
荒木 龍太郎 活水女子大学, 国際文化学部, 非常勤 (90124164)
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研究分担者 |
藤井 倫明 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40867454)
関 幹雄 都城工業高等専門学校, 一般科目文科, 助教 (00817900)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 吉村秋陽 / 日本陽明学 / 佐藤一斎 / 大橋訥庵 / 王陽明 / 劉念台 / 良知 / 格物 / 幕末維新期日本陽明学 / 吉村斐山 / 格物致知 / 幕末維新期陽明学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、広島三原藩儒の陽明学者吉村秋陽(1797~1866)、嗣子の斐山(1822~1882)の未刊文書に注釈を附して翻刻し、新資料・新視点を提供することによって幕末維新期の日本陽明学研究を進展させることを意図している。そのために吉村秋陽を軸とする幕末維新期の日本の陽明学者の陽明思想・念台思想理解を、中国明代の陽明学が日本において理解され、新たな展開を遂げた様相と認識し、陽明学の東アジアにおける受容と展開の実態として解明し、新たな視点により研究を進める。
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研究実績の概要 |
(1)初年度に収集した資料のうち「読我書樓長暦」「読我書樓文草」を中心に翻刻注釈を継続した。「読我書樓長暦」は、慶応2年の卒年(70才)までの翻刻入力を終えた。 (2)「読我書樓文草」の翻刻注釈(四)〔37才天保5年1月1日~12月30日〕の内容は、広島城内の三原藩の講学所「朝陽館」、吉村秋陽の家塾「咬菜塾」での活動、佐藤一斎からの『小学欄外書』(官版)の贈与と指導、大塩中斎、江戸の諸士との書簡の往復などである、また後の「格致よう議」に連続する『大学』の考究の開始が記されている。 (3)秋陽の思想が鮮明に示されている「読我書樓文草」の翻刻訳注作業は、ほぼ半分まで進めることができた。 (4)論考「幕末陽明学者吉村秋陽の明末思想理解ー「格致よう議」を通してー」に於いて、大橋訥庵との論争を記した「格致よう議」の水準を正確に判断するために、秋陽の孫・吉村彰の陽明学理解(「陽明学の大意」明治40年)と比較して考究した。吉村彰の陽明思想の認識と理解の水準が、今日と比べても遜色ないからである。また吉村彰に於ける井上哲次郎『日本陽明学派之研究』の影響も考察した。 (5)研究会・学会に於いて江戸期、明治期、現代に於ける日本陽明学研究の方法に関して考察を深めると共に近世朱子学からも考察を行った。具体的テーマは「陽明学研究の方法」、「日本陽明学研究の展望」、「三宅尚齋研究初探・資料と方法」、「九州大学における陽明学研究:回顧と展望」、「「天」與「數」:佐藤一齋之命運觀探析」である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「読我書樓長暦」の翻刻作業を優先して行ってきたが、コロナ感染の影響で研究会・打ち合わせを十分に実施できず、そのため入力作業に想定を越える時間を要し、検討を十分に行えなかった。また「読我書樓文草」に関しての共通理解に手間取ったためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究会・打ち合わせを積極的に行い、「読我書樓文草」の翻刻註釈作業を一層進め完成を目指したい。「読我書樓長暦」の翻刻註釈作業を精力的に継続する。「格致よう議」を明治以降の日本陽明学研究と比較しながら考究を深める。
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