研究課題/領域番号 |
20K00080
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
清水 節 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (30410294)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | GHQ/SCAP / 民間情報教育局 / 宗教文化資源課 / 異文化理解 / CIE / 宗教史 / GHQ/SCAP / 民間検閲局 / 宗教 |
研究開始時の研究の概要 |
第二次世界大戦後、対日占領政策を担ったGHQは、日本の宗教をどのような手法を用いて「理解」しようとし、そして実際にどのような「理解」に至ったのかを明らかにする。その際、民間情報教育局(CIE)宗教課の会議録や月報、週報などの記述内容を中心に調査する。さらに、国内外の図書館や文書館などへ出張し、史料収集すると同時に、それらの整理・解読・分析を進め、成果を学会や論文で発表する。
|
研究実績の概要 |
GHQ/SCAP文書内の民間情報教育局フォルダに所収されている月報(Monthly report)の調査・分析を進めた。この月報は同局の「情報分析課」(後に「宗教文化資源課 特別企画・調査係」に改組)が作成したもので、占領期における宗教界の動向について月ごとの情報をまとめたものである。これまでの研究で、月報作成のための情報収集・分析・執筆には、来日した占領軍スタッフではなく、現地で雇われた日本人が中心となって関わっていたことが判明している。彼ら彼女らは、各宗教団体が発行している新聞・雑誌・統計といった書誌情報を収集分析するだけでなく、GHQを訪問してきた宗教団体代表者と面会したり、地方へ出張調査するなどして得た生の情報も踏まえて報告書や月報を作成している。その記録内容は、当時の宗教界の実状を理解するうえで有益なものである。また、同記録からは、占領軍が日本の宗教界を理解する上で、どのような手段やルートを用いて情報を得たのか、そしてその中から何に注目したのかを分析することができる。これらの史料を読み込むことで、GHQの日本宗教「理解」のありかたについて分析を進めた。その成果の一部は、学会で発表することができた。さらに、調査の過程で人事関係の史料を見つけることができたので、月報作成に関わった日本人スタッフの雇用のあり方についても、今後新たな知見を示すことができると考えている。ただし、史料の読込みに時間が取られ過ぎてしまい、成果をまとめるまでに至っていない。次年は最終年度となるので、より効率良く進められるよう研究方法の改善を試みると同時に、成果を論文にまとめたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまでの研究活動の中で収取した資料を読み直す中で新たな発見もあったが、本研究課題を進めるうえでは新規で調査すべき史料がある。また、調査分析に時間が取られ過ぎており、研究成果を論文等にまとめられていない。効率の良い研究方法を再考すると同時に、ある程度の段階で区切って、成果発表の準備に重点を置きたい。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究方策は以下の通りである。 ・これまでに調査した文書の解読と分析を継続的に進める。 ・新規史料の調査の必要から、国内外の文書館や図書館への調査を行う。 ・調査分析の成果を論文にまとめる。 引き続き、GHQがどのように日本宗教の理解を進めたのかという観点で、民間情報教育局の月報や会議録などの史料を読み込み、そこから得られた知見を整理する。月報などのい作成に関わったGHQスタッフのバックグラウンドを調査するために、国内外の文書館などで史料調査を行う。上記の調査活動で得られた成果を論文にまとめ発表する。
|