研究課題/領域番号 |
20K00085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
住家 正芳 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60384004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 林文慶 / Lim Boon Keng / 魯迅 / 孔教 / 尊孔 / 進化 / シンガポール / 国家と宗教 / 社会進化論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、林文慶(1869~1957)の思想を分析対象として、世界的に流行した社会進化論の影響のもと、シンガポール華人社会において宗教思想および国家観がどのように展開したのかを明らかにしようとするものである。林文慶は華僑3世としてシンガポールに生まれ、英国への留学後、シンガポールの社会改革運動を展開した人物である。本研究は、林文慶の分析を通して、一定の国家的領域が存在することを自明の前提としない地域における「国家」観と宗教思想のあり方を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度も、コロナ禍のためシンガポール等、国外での資料収集ができなかった。そのため、国内にて収集可能な資料によって研究を実施した。まず、2021年度に引き続き、魯迅と林文慶との対比を手がかりとして、林文慶の宗教理解および進化についての捉え方の同時代的な位置づけを探った。進化思想についての林文慶の理解を、『新青年』に代表される同時代の進歩的な知識人の進化理解と比べると、林文慶の進化理解は時代遅れな「優勝劣敗、弱肉強食」的な理解を引きずったものと見えてもしかたのないものであった。また、儒教に批判的な魯迅からすると、林文慶は儒教を称揚する「尊孔」の権化のような存在であり、前時代的な人物であった。たしかに林文慶は康有為に発する孔教運動の賛同者であり、儒教をあくまでも「宗教」であるとする林文慶の儒教理解も康有為に共通するものであった。だが、林文慶のこうした儒教および宗教についての理解は、康有為の影響というよりも19世紀後半から形成されてきた西欧の宗教研究の知見に学んだものと考えられる。そこで本研究では、The Straits Chinese MagazineやThe Straits Timesなどの刊行物に掲載された林文慶の論文および林文慶の動向に関する記事を検討することで、林文慶の宗教論の展開やキリスト教に対する態度の変化を検討した。林文慶はある時期から明確なキリスト教批判を打ち出し、キリスト教の擁護者と論争を展開している。こうした論争を検討することで、林文慶の宗教理解に同時代の西欧の宗教研究がどのように影響しているのかを探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度もコロナ禍のため国外での資料収集を実施することができず、国内で収集可能な資料のみの分析にとどまらざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
シンガポール等国外での資料収集を実施する予定である。
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