研究課題/領域番号 |
20K00117
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
|
研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
梅田 百合香 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (20424947)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ホッブズ / トゥキュディデス / 政治と宗教 / 戦争 / 歴史 / 哲学 / 古代ギリシア / 国家 / 内戦 / 疫病 / 哲学と歴史 / ガッサンディ / 政治的教育 / エピクロス主義 / 政治の時間性 / ユダヤ・キリスト教 / 政治、宗教、科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ホッブズの古代ギリシアおよびユダヤ教・キリスト教理解がどのようなものか、どのような連関を持っているかを明らかにすることを目指すものである。ホッブズの近代性を政治哲学の世俗化に見出す従来の通説はいまや修正を余儀なくされ、その政治哲学とキリスト教の関係については様々な問い直しが行われている。しかし、彼の哲学全体におけるキリスト教の位置づけや彼の研究活動の出発点である古代ギリシア認識に関しては依然不透明なままである。そこで本研究は、ホッブズの古代ギリシア理解を、生涯全期を通じて思想史的に考察し、ユダヤ教・キリスト教理解を視野に入れつつ哲学的にも分析し、思想史的解釈と哲学的解釈の架橋を行う。
|
研究実績の概要 |
本年度は、ホッブズの古代ギリシア認識について理解を深めるため、ホッブズのトゥキュディデス『戦史』の英訳のテクスト・クリティークに集中的に取り組むとともに、ホッブズによる『戦史』の翻訳に関する先行研究、およびトゥキュディデスに関する先行研究の検討を進めた。その研究成果の一部を、「[自著を語る]『ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想』KADOKAWA、2022年」(経済学史研究会7月例会)、および「Leviathanのinvisibleな諸側面――角川選書『ホッブズ リヴァイアサン』を手がかりに」(東北大学ホッブズ研究会)における口頭報告のなかで発表した。また、ホッブズの初期の歴史と哲学の認識に関する理解の深まりとこれまでの本研究の蓄積に基づき、その成果の一部として、現在の日本でも重要なイシューとなっている政治と宗教という論点に対し、「政治の宗教利用と宗教の政治化―政治と宗教の問題をホッブズはどう捉えていたか」(『學士會会報』957号、2022年11月、23-27頁)という小論を発表した。 なお、2022年9月より、所属機関の海外特別研修が認められたため、イギリスをはじめとした海外で、ホッブズ研究に関わる原資料および研究史料・資料の収集と調査研究を合わせて行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、ホッブズの古代ギリシア認識を探るという研究課題について、ホッブズとトゥキュディデス(歴史)とホッブズとガッサンディ(哲学)という二つの柱を掲げているが、本年度は、前者の、ホッブズとトゥキュディデスの思想的関係について十分に検討を進めることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
初期ホッブズに関しては、ホッブズとトゥキュディデスの思想的関係に関する学術論文をすでに入稿済みであり、2023年度内に公刊する予定である。今後は、フランス亡命時代の中期ホッブズのネオ・エピクロス主義と反アリストテレスの立場の考察を進めていく。
|