研究課題/領域番号 |
20K00125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
伊東 多佳子 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (00300111)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 環境美学 / 美学 / 芸術哲学 / 環境芸術 / 気候変動 / アースワーク / 環境倫理学 / 芸術学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は21世紀の気候変動の時代における環境美学の課題と意義を明らかにすることにある。急激に加速する人間の活動による環境の悪化の中で、環境美学はいかなる問題意識を持って変貌する自然環境について説得的に発言できるのか。本研究は、環境問題に直接立ち向かう環境芸術の様々なあり方を手掛かりに、具体例をあげながら、その動向と環境倫理学的な視点からの評価について論じるとともに、新たに気候変動に関わる環境美学の理論を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究は、21世紀の気候変動時代における環境美学の課題と意義を明らかにすることを目的とする。人間活動による環境破壊が急速に加速する中で、環境美学は変容する自然環境に対してどのような問題提起を説得的に行うことができるのか。 本研究では、現在の環境美学や環境倫理学の研究動向を踏まえて、気候変動をめぐる新たな環境美学を提示するだけでなく、環境芸術が気候変動をめぐる諸問題に直接的に取り組むことができる具体的な事例を実践的に提示した。その成果は、2本の英文論文や環境芸術に関するテキストを含む論文として発表されただけでなく、環境芸術作品のギャラリー展示という形で顕在化し、研究の実践的な応用が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は気候変動の時代における自然環境を論じるための新たな環境美学の構築を目的とする。 この新たな環境美学は、これまでの環境美学が環境保護論と連動しながら、守るべき自然環境を中心に論じていたのに対し、そこでは論じられなかった、人間に襲いかかる気候変動による「異質なもの」としての自然環境を扱う。そのために、気候危機に直接立ち向かう環境芸術の試みを参照し、分析するが、これにより、明確な定義がなされないまま議論されてきた「自然」あるいは「環境」および「芸術」の概念を明らかにしながら、環境芸術の倫理的価値を探りつつ、環境正義の問題にも踏み込む新たな環境美学が可能になる。ここに本研究の学術的意義がある。
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