研究課題/領域番号 |
20K00127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 同志社大学 (2022-2023) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
北原 恵 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30340904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 女性アーティスト / 移動 / ポストコロニアル / ディアスポラ / ジェンダー / 戦争 / 越境 / 占領 / 植民地主義 / 難民 / 移民 / 美術 / 表象 / グローバリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本プロジェクトの目的は、近現代の東アジアで展開された美術活動を「移動」とジェンダーの視点からとらえ直すことである。具体的には、①「人の移動」を扱った美術作品や作家の調査、②在日コリアンだけでなく他の外国人のアート活動の聞き取り調査、③グローバリゼーション社会における「移動」研究の成果を美術研究に取り入れ、定住者の営為を正常とし、「移民の美術」を非日常化・周縁化する美術概念を批判的に考察し、新たな理論的枠組みを提起する。同時に調査によって収集した記録や資料等を体系的に整理してアーカイヴを構築し、新しい研究ネットワークを形成して調査研究の成果を次世代に受け渡す。
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研究実績の概要 |
本プロジェクトの目的は、近現代の東アジアで展開された美術活動を「移動」とジェンダーの視点からとらえ直すことである。2023年度も前年に引き続き、文献調査や聞き取り、発表を行った。 (1) 「人の移動」を伴った美術活動や作品については、谷口富美枝についてAWARE(フランスの女性アーティスト総合ウェブサイト)で英語・仏語で公開。(2)占領期の戦争画については、論考「「御前会議」の表象:『マッカーサー元帥レポート』に掲載された天皇と戦争画」を出版した(『この国の芸術:「日本美術史」を脱帝国主義化する』月曜社、2023年)(3)敗戦後展開した戦争画の戦争責任問題をめぐる従来の定説に疑問を提起した(「日本美術会「戦犯リスト」をめぐる、いくつかの疑問」『美術運動』No.150) (4)海外調査として、韓国での光州ビエンナーレ調査(2023年7月)、及び、関東大震災朝鮮人虐殺100周年に関連する展覧会調査を韓国(2023年8-9月)・日本で行った。成果は、「関東大震災100年を記憶する現代アート:2023夏、韓国」(『エトセトラ』vol.10、2023年11月)で出版。(5)ベトナム(ホーチミン市)では、ディン・Q・レに面談して、ベトナム戦争を扱った自作や、参照した資料について調査した(2024年3月)。 (6)飯山由貴のこれまでの作品分析を行い、展覧会図録で出版(「「国民の正しい身体」をめぐる日本国家のプロパガンダ:吉田裕亮&飯山由貴」『記録集Dazzler』2023年11月)。 (7)《In-Mates》の上映禁止をめぐって上映会・シンポジウムを実施・調査(2023年4月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、コロナ感染拡大による移動制限のために前年度まで遅れていた当初の計画を見直した。そこで、前年度に続き文献資料の再調査と、国内外での成果の発表を継続したほか、韓国での調査とベトナムでの調査を行うことができたが、依然として計画の遅れは残っている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は最終年度となるので、これまで遅れた調査に集中するとともに、研究成果をまとめ、発表する予定である。
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