研究課題/領域番号 |
20K00137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大林 のり子 明治大学, 文学部, 専任教授 (00335324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ポピュラリティ / ヴァイマル期 / 総合舞台芸術 / 協働 / 演出 / 1910-1930年代 / マックス・ラインハルト / 群衆 / スペクタクル / ヴェニスの商人 / オイディブス王 / 1920年代 / モスクワ芸術座 / 無言劇 / 協働製作 / 非言語表現 / エルンスト・マトレイ / パントマイム / 演技 / 舞踊 / ヴァイマル / 身体表現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究において調査を進める無言劇やバレエパントマイムなど、非言語的身体表現に重点を置いた総合舞台芸術は、その中間的な性質、つまり言語や会話に期することのできる演劇と、身体表現に重点化した舞踊のいずれにも分類されにくい。総合舞台芸術の製作過程における複数の協働者の関与は、協働者の匿名性が強いことで、その実践や成果を具体的に把握し、さらに影響力について検証することは未だあまり十分ではないと考える。 協働する芸術家の個々の取り組みや個性と、その作品全体への影響力を把握することが容易ではないが、取り組むべき研究として位置づけていきたい。 当然ながら、この対象を扱うためには、超領域的な観点も要求される。
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研究成果の概要 |
ヴァイマル期(1919年ー1933年)のドイツ語圏における総合舞台芸術を、身体表現「パントマイム」「無言劇」「舞踊」「ジェスチャー」の側面から、そのユニバーサルな表現の模索、ポピュラリティの獲得への道筋を調査を通して検証し、歴史的な意義を再考した。具体的には、1920ー30年代のベルリンにおける大劇場運営と、そこでの上演作品の変化、ギリシャ悲劇や古典作品からオペレッタ、レビューまで、その群衆演出の内実について検討し、また国際的に通用する新たな「パントマイム」の創造を目指す20年代の活動の事態を当時の歴史的資料を調査・その内容について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、20世紀前半の総合舞台芸術が、従来の演劇史・演劇学においては「演出家の誕生」あるいは「劇場の近代化と新たな祝祭の誕生」、そして「全体主義」との関連において、議論されてきた。しかし、その統合という性質ゆえに、製作過程にみられる協働者の匿名性が高まり、協働する芸術家の個々の取り組みや個性を、作品全体への影響力を把握することが困難になる。たとえば協働者たちは「固有の芸術家」として見なされずに置かれ、かつ、その協働者たちの多くが、ナチス台頭により国外で映画やショービジネスに場を移している。その実体を追い、協働者の活動を詳細に調査・分析することで歴史を捉え直す試みである。
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