研究課題/領域番号 |
20K00138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
村井 まや子 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20347769)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | おとぎ話 / 動物 / 現代美術 / 絵本 / エコクリティシズム / マルチスピーシーズ / 物語 / 民話 / 環境人文学 / 表象文化 / 環境 / 芸術 / 比較文学 / 多種共生 / 表象 / 美術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、世界各地のおとぎ話にみる人と動物の関係にまつわるモティーフやパターンが、美術と絵本を中心とする現代の表象文化の中でどのように継承され、変容されているかを分析することで、動物についての私たちの認識を形成している物語のパターンが文字言語をこえたレベルで作用している様態を明らかにし、批判的に検討することを目的とする。人と動物をめぐる古来の物語を私たちがどのように語り継ぎ、そして語り直していくことが、多種共生社会の実現に向けた思想的転換の一助となり得るかを、批評と創造の間を行き来する研究活動を通して探求する。
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研究実績の概要 |
1. 国際交流基金シドニー日本文化センターの招聘により、現代アートのグループ展“Storymakers in Contemporary Japanese Art” をキュレーターの一人として企画し開催した。関連イベントとして、講演、対談、ワークショップを実施し、同展の図録を執筆して刊行した。2. ロンドンで開催されたInternational Society for Folk Narrative Researchの大会で、“Storymaking in Contemporary Japanese Art: A Practice-Based Exploration of the Intersections of Folk Narrative and the Visual Arts”と題する基調講演を行った。3. 「Storied Environments 物語る環境」と題する国際シンポジウム・絵本展・映画上映会を実行責任者として企画し開催した。成果を『神奈川大学評論』の小特集として出版した。4. 豪日交流基金の助成による文化芸術イベント“Festival of the Fantastic in Australian and Japanese Arts”を日本側の実行責任者として企画し、展示とアーティストとの対談を行った。5. 学術誌Studies in Costume & Performanceの招待により“Costume and Fairy Tales”をテーマとする特集号のゲスト編集者を務め、公募論文の選考、査読、編集を行い、序文を執筆して刊行した。6. 国際ワークショップ“Re-Storying the World for Multispecies Survival: Fairy Tales, Art, Science”を実行責任者として企画し実施した。"Making a Multispecies Fairy-Tale Library"と題する発表を行い、参加者と討論した。7. 本研究課題に関する文献・映像・美術作品の収集と調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の1年目と2年目に予定していた国際ワークショップと国際学会が、コロナ禍によりやむなく延期されていたが、3年目の今年度にようやく対面形式で実施できた。4年目に開催を予定していた美術展が、シドニーの国際交流基金の招待により1年早く実施されることになり、開催地を神奈川大学から海外のギャラリーに変更したことで、当初の想定を上回る研究成果と公表の機会が得られた。4年目に予定していた国際シンポジウムも美術展と同時期に行うことにしたため、今年度は研究成果の公開の方に比重が偏り、予定していたインドでの研究調査が次年度に延期となったほか、昨年度に初稿を提出した単著の原稿の修正作業も滞りがちであった。以上から、4年間の研究期間全体としての進捗状況はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
単著 Re-Storying the World for Multispecies Survivalの原稿の修正を完了し、2023年度内に最終稿を提出することで、4年間におよぶ本研究課題の成果を総括する。2. 2023年2月に実施した国際ワークショップ “Re-Storying the World for Multispecies Survival”の参加者の論文を、学術誌Synthesisの招待により特集号のゲスト編集者として他の投稿論文とともに査読・編集し、序文を執筆して10月に刊行する。3. ドイツのヴュルツブルク大学民族学研究所の招待により、8月に同研究所が主催する国際学会“Narrating the Multispecies World: Stories in Times of Crises, Loss, Hope”で、“Making the Multispecies Fairy-Tale Library”と題する基調講演を行い、本研究課題のテーマについて各国の研究者と意見を交換する。4. 国際学術誌Marvels & Tales: Journal of Fairy-Tale Studiesの招待により、“Clothes, Costume, and Textiles in Folk and Fairy Tales”をテーマとする特集号のゲスト編集者として2023年度に投稿論文の査読と編集および序文の執筆を行う。 5. Routledge社から出版予定の研究書The Routledge Companion to Fairy Talesの編者の招待により、 “Multispecies Fairy Tales”と題するチャプターを執筆し、2024年3月に初稿を提出する。 6. 本研究課題に関する資料の収集と現地調査を国内外で行う。5月に秋田、6月に京都と神戸、7月に香川県大島、9月にイギリス、11月に秋田、1月にインドでの現地調査を現在予定しており、これに加えて現在準備を進めている“Multispecies Fairy-Tale Library”のプロジェクトの一環でワークショップを各地で開催する計画を立てている。
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