研究課題/領域番号 |
20K00147
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
福中 冬子 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (80591130)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 冷戦文化 / 芸術音楽 / 文化政策 / 合衆国 / 冷戦 / 文化冷戦 / プロパガンダ / 西洋芸術音楽 / 戦後文化政策 / 音楽学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、合衆国国務省教育文化局 The United States Department of State, Bureau of Educational and Cultural Affairs が、「文化プレゼンテーション Cultural Presentations」 (1954 年から1984 年:別称 President’s Programs)の一環としてアフリカを除く世界全地域で 展開した、芸術音楽関係のプログラムの検証を通じ、テクノロジーや科学領域における競争や相反する政治イデオロギー間の拮抗として記述されがちな冷戦において、芸術、とりわけ音楽に期待された役割を明らかにするものである。
|
研究実績の概要 |
今年度はCOVID感染拡大以降、初めて海外渡航が可能となった。ただし、当初予定していた夏の渡航が個人的な理由から不可能となり、授業期間・入試期間が終わってからの渡航となったため、予定よりも短い期間での調査となった。本題目と、2023年度採択の課題とは継続性があるため、当該の資料調査での成果は両者にとって有益となったが、他方、国立公文書館での調査がやはり必要であるため、来年度の課題として残したい。 本年度は当初、渡航の見通しがたっていなかったため、前年度に引き続き、合衆国国務省教育文化局 The United States Department of State, Bureau of Educational and Cultural Affairsが、「文化プレゼンテーションCultural Presentations」(1954年から1984年:別称President's Programs)の一環としてアフリカを除く世界全地域で展開した、芸術音楽(いわゆる「クラ シック音楽」)関係のプログラムに触れている先行研究について網羅的に調査をおこなった。とりわけ、これまでは合衆国国務省によるプログラムのみに焦点を当ててきたが、当該プログラムをより広い文脈から検証する必要性の認識ゆえ、同時期に英国政府が行なった冷戦文化プログラムに関する先行研究の調査を行ったほか、関連事項として、60・70年代を中心に西側で開催された国際音楽祭・。国際音楽講習会に関しても調査を広げた。この研究領域では、多くの研究が著されているわけではないが、Paul Lashmar and James Oliver 1998やTony Shaw 2005、James Chaplan 2000などは、音楽そのものに関する記述は多くないものの、文化冷戦に関する構造が理解できる内容となっており、参考となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やはりCOVID拡大の影響をうけ、渡航が不可能だったことが非常に大きい。本題目は、先行研究の読み込みのみならず、当然ながら多種にわたる一次資料の検証が不可欠なため、23年度採択の題目をあわせ、来年度の渡航においてより多くの資料を検証できるよう努める。
|
今後の研究の推進方策 |
上で述べたとおり、海外渡航が不可能だったため、本課題の進捗は遅れているが、他方、23年度採択分の科研課題が本課題からの継続性をもつため、そちらの課題の調査によりフォーカスをおくことで、本課題へのベネフィットにも通じる。同時に、本年度調査に着手した60年代以降に開催されるに至った国際音楽祭や国際音楽講習会の調査を継続し、戦前から戦後にかけての合衆国における文化政策が、グローバルなシーンにどのような影響を与えたのか、そしてお互いにどのような共作用を生み出したのかを検証する。また現在執筆を依頼されている論文も、間接的に本題目と関係しており、より多角的な視点から本題目に関する成果として結果を残すこととなる。
|