研究課題/領域番号 |
20K00154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
岡田 万里子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (60298198)
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研究分担者 |
阿部 さとみ 武蔵野音楽大学, 音楽学部, 講師 (10811466)
稲田 奈緒美 桜美林大学, 芸術文化学群, 教授 (70367100)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本舞踊 / バレエ / 舞踊劇場 / 東京シティ・バレエ団 / 石田種生 / お夏清十郎 / 文化融合 / 舞台芸術 / 戦後日本文化 / 舞踊実践 |
研究開始時の研究の概要 |
江戸時代の歌舞伎舞踊から発展した日本舞踊と、西洋から輸入されたバレエは、日本国内で別々に存在し、両者が融合した舞台芸術は多いとはいえない。しかし、戦後の一時期、日本舞踊はバレエに学び、バレエは日本舞踊を取り入れようとしていた。これらの一連の相互摂取の舞台芸術は、重要な文化融合現象であり、本研究では、1960年前後の舞踊劇場の一連の試みと1970年代の日本創作バレエから、文化融合の方法論と成果を考察し、近現代芸術史に位置づける。
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研究実績の概要 |
本研究は、従来特殊な作品として看過されてきた日本舞踊とバレエの融合作品を研究対象とし、日本舞踊がバレエを、バレエが日本舞踊を摂取して新しい舞踊を創ろうとしていた一時期の動向を重要な芸術運動として、再考・再評価しようとするものである。2022年度末に、東京シティ・バレエ団の第6回公演「邦人の作曲による日本創作バレエの夕べ」の「お夏清十郎」の出演者への聞き取り調査を実施し、本調査により、創作バレエの制作や準備段階における詳細な事実が明らかになったため、2023年度はその内容についての分析・検証を重点的に行った。これに伴い、第二次世界大戦後のバレエと日本舞踊が、相互に、また、地方の民俗芸能など他のジャンルから貪欲に学んでいた様子が明らかになったので、戦後の日本舞踊の動向、特に従来の日本舞踊になかった群舞をとりいれた作品についても調査を行った。直接的な関係は見出せないが、戦後の社会に実験的土壌が築かれていたことも想定できる。また、当時の日本舞踊を下支えしたともいえる、地方の花街の動向として、盛岡芸妓の調査も行った。その結果、花街芸妓の日本舞踊の習得レベルが非常に高く、戦前と同様に、花街において実験的な上演が行われていた様子も一部確認できた。さらに、これまでの研究成果を活かして、東京シティバレエ団演出振付家の石田種生の故郷における顕彰公演に協力し、プログラムに解説を寄稿したほか、2024年秋に開催される東京シティバレエ団『白鳥の湖』東京公演における資料展示への協力を依頼されている。 本研究は、新型コロナウィルスの感染拡大により、聞き取り調査を当初の予定通り行うことができず、計画通りの実施が不可能となった部分もあるが、2023年度に行った補足的調査研究により、研究対象の芸術運動を多角的に論じる準備が整ったということができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、西洋の舞踊をとりいれた日本舞踊の事例として「舞踊劇場」に注目し、「舞踊劇場」を調査対象として研究計画を策定したが、新型コロナウィルス感染拡大のため、関係者への聞き取り調査を延期してきた。調査対象者は高齢であったため、今後も実施が難しく、研究計画を見直した。そのため、研究計画が遅れ、延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、舞踊の東西融合について関係者への聞き取りから当事者の認識を明らかにして歴史を記述することを計画していたが、上述のとおり、日本舞踊関係者への聞き取り調査が困難であり、研究計画の見直しを余儀なくされ、予備調査からあらためて実施してきた。2023年度までの調査により、成果をまとめる見通しはたったので、延長された2024年度に研究を総括していく予定である。
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