研究課題/領域番号 |
20K00159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
三浦 裕子 武蔵野大学, 文学部, 教授 (30646287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 能・狂言 / 能楽 / 囃子 / 太鼓 / 家元制度 / 中世芸能 / 伝統芸能 / 古典芸能 / 能 / 近代能楽 |
研究開始時の研究の概要 |
武蔵野大学能楽資料センター内に設置されている初代梅若実資料研究会が共同研究の母体となって、能楽囃子太鼓方観世家所蔵の1000点以上にのぼる資料の全体像を把握し、資料的価値などを明らかにする。また全国に存在する太鼓方観世流の資料を調査する。 明治維新により壊滅的な打撃を受けた能楽は明治10年代から復興する。シテ方の動向についてはある程度のことが明らかになった。一方、囃子方については未だに不明な部分が多い。上記の資料の解読を通して、近代を中心とする太鼓方観世流の事績を解明する。あわせてシテ方との比較を行うことにより、囃子方独自の復興の軌跡を探る。さらに、能楽の近代化の全容を解明することを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は「近代における能楽の伝授と受容の諸相―免状に見る梅若家と素人弟子」(2013年度~2016年度 JSPS科学研究費助成事業・基礎研究(C))、「能楽囃子太鼓方観世流に見る伝授と受容の諸相」(2016年度~2019年度 SPS科学研究費助成事業・基礎研究(C))に引き続き、初代梅若実資料研究会が研究母体となって推進するものである。資料研究会の構成員は、三浦裕子(研究代表者)と、加賀谷真子・高橋葉子・中司由起子・別府真理子の全5名である。研究方針としては、年5回程度の研究集会(太鼓観世家での調査を含む)を催し、太鼓観世家での調査で得た同家所蔵の能楽資料(近代以降のものを中心に)の精査を通じて同家所蔵の資料のデータベース構築を図るものである。 2022年度は、コロナ禍の状況を見つつ、対面による研究会(予備調査を含む)を2回、開催した。ここで、太鼓方金春流能楽師の教示を得た。 例年、太鼓観世家が虫干しを数日にわたり行っている。それに合わせて調査をしているが、2022年度は8月12~15日の3日間と、2023年1月9日から10日の2日間、計5日間にわたり、実施した。3密を避ける目的から代表研究者の三浦だけ、または三浦と調査補助員だけが参加して、個々の資料の調査(書誌情報の確認とカード化)と資料撮影(約150点)を進め、データベース構築に向けた基礎作業を行った。さらに、太鼓観世流能楽師との意見交換、および演奏の鑑賞を通じて、同流の演奏の特徴を確認する作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
写真家による太鼓方観世家所蔵の資料の撮影を進めているが、3密を避けるために、なるべく少人数が補助する形にしている。そのため撮影の能率が上がらなかった。具体的には約1000点の資料のうち約150点しか撮影ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
初代梅若実資料研究会を研究母体としつつ、太鼓観世家が所蔵する約1000点に及ぶ資料の実態を把握する調査・研究を継続し、未撮影の資料約750点を撮影し、データペース構築のための基本的な情報を蓄積する。 対面による初代梅若実資料研究会を開催する。 虫干し時における資料調査を行い、その保存方法を検討する。 2021年11月18日の虫干し時に発見された近代に太鼓観世家に入門した弟子の誓約書(約500通)の精査を行い、近代の能楽囃子方における伝授の諸相を解明し、本研究に関する総合的な報告を行う。
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