研究課題/領域番号 |
20K00163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 京都芸術大学 (2021-2023) 国際日本文化研究センター (2020) |
研究代表者 |
前川 志織 京都芸術大学, 芸術学部, 専任講師 (80805664)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 広告 / 嗜好品 / 多メディア展開 / デザイン / 童画 / 漫画 / 映画 / 写真 / デザイン史 / メディア / 視覚文化論 / 間メディア性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、視覚文化論の観点から、戦間期日本における広告表現、とくに嗜好品の一種である洋菓子の広告が、挿絵・漫画、写真・映画という隣接する大衆的な視覚メディアといかなる関係をもったかを、次の3つの観点から立体的・動態的に考察することである。(1)広告デザインの間メディア性、(2)(1)を想定した上での、消費と結びついた「大衆」的デザインの領域、(3)(1)と(2)により形成される嗜好品の文化的・社会的意味、この3つである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、視覚文化論の立場から、嗜好品の一種である日本の洋菓子広告が戦間期を通して、挿絵・漫画、写真・映画 という隣接する大衆的な視覚メディアといかなる関係をもったかを立体的・動態的に考察することにあった。まず製菓会社各社による挿絵・漫画、写真・映画を流用した広告表現を網羅的に調査した。さらに各社広告にみる童画風表現の領域横断的共有の事例、芸術写真や新興写真などからの流用の事例、タイアップ映画やそのメディア間連動の事例などを検討することで、各社の広告表現が大衆的な視覚メディアを利用し多メディアで展開されたことを確認し、これにより形成される洋菓子の文化的・社会的意味とその変遷を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦間期日本の洋菓子広告における多メディア展開に関する調査を通して、これまで研究される機会が少なかった消費と結びつく大衆的デザインの領域を具体的に示すとともに、戦間期の洋菓子における文化的・社会的意味について、市場の動向や社会情勢、隣接文化の動向と密接に絡み合いつつ、その意味が近代性を基調とする一方で非合理的な消費の快楽を含みつつ、細分化したり変容したりするさまを描出した。この研究成果を通して、嗜好品の飲食をめぐる五感を刺激しながら織り成される文化的営為とその視覚表象が密接に結びつくさまを具体的に想定するに至った。
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