研究課題/領域番号 |
20K00189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
門脇 むつみ 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (00406779)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 若冲画賛 / 禅文学 / 黄檗宗 / 水墨画 / 賛 / 漢詩文 / 伊藤若冲 / 梅荘顕常(大典禅師) / 無染浄善 / 禅僧 / 18世紀の上方文化 / 18世紀上方文化 / 画賛 / 禅宗 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲(1716~1800)について、禅宗との深い関わりに注目し若冲の画業と生涯のより確かな把握を目指すものである。若冲に関しては多くの研究が蓄積されているが未だ解明すべき課題は多い。禅宗との関わりはその大きな鍵と考えられる。本研究は若冲作品に認められる同時代の禅僧による賛の読解の集積を踏まえて画像を検討し個々の作品を読み解くとともに、直接交際があったとみなせる禅僧との関係やその詩文集の考察を徹底し、若冲と禅宗との関わりを考察する。また、画賛講読の研究会を通じて美術史の若手研究者の画賛読解能力の養成をはかることも目的としている。
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研究成果の概要 |
3年間を通じて次の3点を行った①伊藤若冲作品の画賛の読解。禅文化および美術史研究者、学生からなる研究会を初年度の9月を初回として原則月1回、総計31回オンラインで実施した。その成果に基づく書籍の2023年度中の刊行を予定している。②若冲に関わった禅僧資料の探索。近畿圏の市町村史等の資料を探ったが十分にはできていない。ただし、3年目にコロナ禍の状況変化により、実作品の調査撮影を相当進めることができ、若冲作品の造形的特徴への理解、作品附属情報の収集、禅僧賛の書体や印章の確認等において進展があった。③若手研究者の漢詩文賛読解能力の養成は研究会および書籍準備によって一定の成果をあげた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
【研究業績の概要】に記載の通り、本科研の特に①、③の成果公表として画賛読解の研究会参加者の共同執筆による書籍を刊行する予定である。本書は若冲作品60点弱の賛を徹底して読み解くことを大きな特徴とし、近世絵画にみる禅僧賛読解の方法論を提示する学術的意義は少なくないと考えている。また、それを通じた若冲の絵画世界への理解、近世絵画における禅僧賛と画家の絵の交響、禅文化と関わる若冲の画業の輪郭の捉え直しでもある。さらに若冲は、現在、一般にもきわめて人気が高く展覧会等で作品が展示される機会も多いが、賛の読解に基づく若冲の絵画世界理解の深化は、若冲の魅力を新たに紹介することにつながる。
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