研究課題/領域番号 |
20K00190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後小路 雅弘 九州大学, 人文科学研究院, 特任研究員 (50359931)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ナショナル・アイデンティティ / 美術史 / 東南アジア / 近代美術 / ナショナリズム / モダニズム / 美術 |
研究開始時の研究の概要 |
独立間もない東南アジア諸国の近代美術は、ナショナル・アイデンティティの探求と形成という国家的要請と深くかかわりながら展開していったと考えられる。また、欧米の造形主義的なモダンアートの普遍性と、地域の個別性どのように表現していくのかという問題は、ナショナル・アイデンティティと美術家個人のアイデンティティの問題とも絡んで、東南アジアのみならず、植民地を経験した非欧米圏の国々の美術家がともに直面する課題でもあった。1950年代から70年代まで、東南アジアの美術家たちが、どのようにその困難な課題に挑んだか、実際の作品の分析を通して、また現地の研究者と意見交換しながら、実証的に解明する。
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研究成果の概要 |
「コロキウム:東南アジアの美術にみる自己像と他者像」をはじめ5回の研究会を開催し、内外の研究者と本研究テーマに関する議論を深めた。また、シンガポールでチュア・ミアティ展を調査したのをはじめ、ジャカルタなどインドネシア4都市を回り、東南アジア近代美術作品とナショナル・アイデンティティの関係という観点から、実例を調査した。とくにナショナル・モニュメントについて調査した。同時に、本研究テーマの問題意識の端緒になった1978年の最初の調査を考察するため当時の存命の関係者にインタビューした。これらの研究成果については報告書にまとめ、公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東南アジアの近代美術史研究については、おおまかな各国別の美術史の語りは定説として存在するものの、より深い問題意識に基づいた研究、実証的な研究、あるいは個別の作家、作品研究はまだ少ない。また既存の「定説」に関する批判的な検証も端緒についたばかりである。本研究は、「ナショナル・アイデンティティ」という観点から、東南アジアという地域における近代美術に共通する問題意識を深化させたところに学術的意義がある。同時に、日本近代美術と比較することで、日本近代美術史においてはあまり問題として意識されないナショナル・アイデンティティと美術作品の問題を顕在化させる意義もある。
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