研究課題/領域番号 |
20K00192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
大口 裕子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 客員研究員 (50803780)
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研究分担者 |
青木 賜鶴子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (60180139)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 伊勢物語 / 伊勢物語絵 / 注釈書 / 講釈 / 後水尾天皇 / 北村季吟 / 注釈 / 本文 / 源氏物語絵 / 天皇 / 霊元天皇 / 堂上 / 公家 / 皇室 / 古今伝受 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、物語が絵画化される時のメカニズムについて、江戸時代の天皇に関わる『伊勢物語』の絵と注釈に焦点を当て解明を試みる。大局的には古典研究の震源地たる皇室の文化的な一面を提示したい。 具体的には、美術史から後水尾天皇ゆかりの伊勢物語絵を中心に分析し、国文学から天皇の肉声を伝える注釈の特徴を抽出する。総括として両者を照合し、注釈が絵へ、逆に絵が注釈へ反映したか否か、その背景や要因を考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、宮廷を中心に磨かれてきた歌学の基本の『伊勢物語』が絵画化される際のメカニズムについて、美術史と国文学の立場から考察した。美術史からはモチーフについて本文や注釈書との照合、国文学からは後水尾天皇の講釈や北村季吟の『伊勢物語拾穂抄』の内容の検討などを行った。 伊勢物語絵には他の文学作品や絵画からの影響があるが、注釈書から絵への反映も先学により指摘されてきた。本研究では逆に絵から注釈書への反映の可能性、すなわち双方向の影響関係を指摘した。また、分担者により、従来源氏物語絵からの影響とされてきた絵の一つは『伊勢物語』本文をもとに描かれたと考えるべきとの新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、美術史と国文学の双方から『伊勢物語』を絵画化した伊勢物語絵にアプローチしたことである。鎌倉時代からの遺品がある伊勢物語絵は、時代や享受者層による画風の違いはあるが、本文にないが描かれるモチーフ、逆に本文にあるが描かれないモチーフがある。それらを美術史と国文学の観点から照射し背景を探ることで、物語がどのように享受されていたか、往時の人々の感性を窺い知ることに繋がる。
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