研究課題/領域番号 |
20K00201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
吉原 弘道 九州産業大学, 基礎教育センター, 教授 (50552212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 美術史 / 日本刀 / 刀剣 / 刀剣書 / 刀鍛冶 / 押形 / 刀絵図 / 茎図 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本刀および刀鍛冶研究の重要史料である鎌倉~江戸時代中期に作成された日本刀(主に平安~戦国時代に製作された日本刀)の茎図(日本刀の茎の模写)・刀絵図(日本刀の刀身全体もしくは一部の模写)を調査・収集し、茎図集(押形集)・刀絵図集の史料学的分析を行い、絵図史料(茎図・刀絵図)採録刀剣データベースを構築する。 構築した絵図史料採録刀剣データベースを用いて、茎図・刀絵図の変遷とその作成背景、日本刀の伝来過程、日本刀の形状変化(磨上による寸法の変化など)について分析する。
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研究実績の概要 |
1、茎図集(押形集)・刀絵図集の調査・収集として、刀剣博物館・天理図書館・国会図書館などで史料調査を実施して撮影・複写を行ったり、東京国立博物館のデジタルライブラリー・国文学研究資料館の新日本古典籍総合データベースなどで公開されている画像を利用したりして、出版されていない写本(押形集・刀剣書・名物帳など)を収集した。 2、絵図史料(茎図・刀絵図)の整理として、入手した押形集の画像を日本刀1振ごとに整理する作業を行い、1振ごとに目録化作業及び注記などの翻刻作業を進めた。さらに、収録されている名物刀剣は、入手している名物帳の写本で該当するものの翻刻作業を進めた。 3、目録化作業及び翻刻作業の成果を基にして、絵図史料のデータベース化として押形集に採録されている日本刀1振ごとに種別(茎図・刀絵図)+銘文+注記を入力した。さらに、絵図史料のデータベースの一部(中世押形集)については、中世刀鍛冶の総合データベースに取り込ませ、刀工ごとに中世刀剣書・往来物・押形集(銘文)・現存する刀剣(銘文)の情報を一元化して平安~室町時代の刀工一覧を作成し、日本学術振興会科学研究費(課題番号:17K02334・26370147)の研究成果報告書として『平安~室町時代における刀鍛冶の基礎的研究―中世刀剣書を中心とした刀工一覧(稿)―』を刊行した。 4、「本阿弥光温押形集」については、各種伝本を調査して照合作業を行い、伝本ごとの異同を整理して伝本の成立過程の解明を進めた。 5、日本刀関係書籍の調査・収集として、出版された日本刀関係書籍を収集し、平安~戦国時代に製作された現存する名刀の情報を調査・収集した。 6、日本刀関係書籍からの収集成果を基にして、現存する名刀のデータベース化として収集した情報を日本刀1振ごとに種別(太刀・刀・脇指・短刀など)+銘文+作刀時期+作刀地域+流派を入力した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症のため実施できなかった史料調査を再開し、出版されていない押形集などの写本が収集できたため、翻刻作業・データベース化作業が進捗した。さらに、本研究の成果である絵図史料のデータベースの一部(中世刀剣書)を活用し、日本学術振興会科学研究費(課題番号:17K02334・26370147)の研究成果報告書として『平安~室町時代における刀鍛冶の基礎的研究―中世刀剣書を中心とした刀工一覧(稿)―』を刊行した。
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今後の研究の推進方策 |
茎図集・刀絵図集の調査・収集は、新型コロナウィルス感染症のため実施できなかった史料調査の実施及び調査委託・複写依頼を行い、必要な写本(押形集・刀剣書など)を収集する。収集した絵図史料(茎図・刀絵図)の整理は、日本刀1振ごとに画像を整理して目録化作業及び注記などの翻刻作業を行い、種別(茎図・刀絵図)+銘文+注記を入力してデータベース化を行う。日本刀関係書籍の調査・収集は、日本刀関係書籍を入手して平安~戦国時代に製作された現存する名刀の情報を収集する。収集した現存する名刀の情報は、日本刀1振ごとに種別(太刀・刀・脇指・短刀など)+銘文+作刀時期+作刀地域+流派を入力してデータベース化を行う。そのうえで、絵図史料データベース、現存する名刀データベース、応募者が作成した中世刀鍛冶の総合デーベースの3つの統合作業を行い、茎図集・刀絵図集に採録された日本刀を製作した刀鍛冶の比定作業を行って絵図史料採録刀剣データベースの構築を進める。さらに、茎図・刀絵図を照合して記載内容の変遷などの史料学的な分析を行い、絵図史料の流布・受容を明らかにする。
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